コラム
丸善ジュンク堂のPR誌 書標(ほんのしるべ) 2016年7月号
今月の特集は
『芸能の力』
『「憲法」と「日本のいま・これから」~』
丸善ジュンク堂のPR誌 書標(ほんのしるべ)。今月の特集ページで紹介された書籍を一部ご紹介致します。
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今月の特集(一部抜粋)
東日本大震災で大きな被害を受けた東北各地では、日常生活がままならない状況の中で、伝統の民俗芸能が次々と復活していきました。民俗芸能はそこに生きる人々にとっては単なる文化財ではなく、生きがいであり喜びであり、その土地の記憶であったのです。地域社会を再生させる原動力とも言えるものでした。
神楽、獅子舞、剣舞といった民俗芸能のもつ力とは何なのか、という問いをベースに伝統芸能、古典芸能、現代の芸能に広く目を配って、「芸能の力」と銘打って選書してみました。
折口信夫によれば、「日本の国家組織に先立って、芸能者には団体があった。その歴史をしらべると日本の奴隷階級の起源、変化、固定のさまがよくわかる。日本には良民と浮良民とがある。そのうかれ人が芸人なのである」(『日本芸能史ノート』)。この折口の言葉に自分たちのルーツを求め、現代の河原者を自称するのが水族館劇場です。神社やお寺の境内に巨大な特設テント小屋を建て、三十年にわたって活動をつづけている芝居集団を手がかりに、芸能の歴史と現代に生きる芸能について見ていきましょう。
水族館劇場のほうへ
桃山 邑 (編)
羽鳥書店
6,264円(税込)
【内容紹介】
「座」の建立にこだわり、自分たちで高さ13メートルにおよぶ巨大な仮設劇場を建設して公演を続ける「水族館劇場」。旗揚げから四半世紀を経た野外劇集団の全貌と思想を、座談会やインタビュー、台本から明らかにする。
精霊の王
中沢 新一 (著)
講談社
2,484円(税込)
【内容紹介】
世界の王たる宿神の正体とは? 日本という国家が誕生したとき、闇へと埋葬された「石の神」とは? 芸能、技術、哲学の創造を司る霊妙な空間の水脈をたどる。金春禅竹著「明宿集」現代語訳も収録。『群像』連載を単行本化。
旅芸人のフォークロア 門付芸「春駒」に日本文化の体系を読みとる (人間選書)
川元 祥一 (著)
1,851円(税込)
【内容紹介】
旅芸人がもたらす正月の門付芸と農民との関係を、群馬県や新潟県の地方を訪ねて探っていく。門付芸「春駒」を通して、人間と自然の共存をあらわしたアニミズムの諸相を探り、日本文化の本質に迫る。
小沢昭一座談 3 本邦ストリップ考
小沢 昭一 (著)
晶文社
2,592円(税込)
【内容紹介】
華やかなスポットライトを浴びるヴィーナスたちの舞台裏は−。この国のストリップの歩みとその実情、今や伝説化し歴史上の人物となった一条さゆりのワイセツ裁判記録等を収録し、日本のストリップの歴史を一冊にまとめる。
にっぽん芸能史
稲田 和浩 (著)
映人社
1,620円(税込)
【内容紹介】
日本芸能の最初はアメノウズメのストリップだった! 狂言、歌舞伎、浄瑠璃、浪花節、活動写真、漫才、演歌、テレビ、カラオケなど、日本の芸能という太い軸の中での「庶民芸能」をクローズアップして、その歴史をたどる。
2016/07/06 掲載