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わたしのBOOK MARK

-第23回-スペースマーケット代表取締役社長 重松 大輔さん

本は、時に友となり、師となるもの。
人生の転機の支えとなった1冊とは?
時代を拓く注目のビジネスリーダーに聞く連載。
第23回は、貸しスペースのマッチングサービスで急成長するスペースマーケット代表取締役社長の重松大輔さんです。
文/宮本恵理子 撮影/鈴木愛子

「起業するなら、これしかない」
シェアエコノミー事業への挑戦を決意させた1冊

 もともと会社員時代から「いつかは起業したい」という目標があり、どんな事業を始めるべきかと、ずっと考えていました。アイディアとして練った計画は100以上になりましたが、決断に至るほどのイメージはなかなか描けず、模索していた時期が数年ほど。2013年に前職の会社が無事に上場し、本格的に起業の準備を始めようと思った時に出会ったのが、『シェア〈共有〉からビジネスを生みだす新戦略』(レイチェル・ボッツマンほか、NHK出版)でした。

 アメリカで先行しているビジネストレンドを調べているうちに、たまたま見つけた本でしたが、読み進めるうちに「なるほど。これは挑戦する価値があるビッグウェーブだ」と確信できました。今でこそ、「シェアビジネス」や「所有から共有へ」という言葉をよく聞くようになりましたが、5年ほど前にはまだ馴染みのない言葉でした。スマートフォンが消費者に行き渡った後に可能になる個人認証技術や信頼を評価して蓄積する技術、それらを活用することで生まれる新たなCtoCマーケット。個人が空きスペースを貸し出すサービスは、所有資産の無駄を解消し、個人がより多様な収入源を得られるという社会的価値も大きいと感じ、「これに挑戦しよう」と心が決まりました。10年ほど前に出版された本ですが、「人々はこれまでの銀行口座と並行して、評判の口座を持つようになる」(278ページ)など、その論説はいまだに色褪せず、今読み返しても学びを得られます。

 事例として登場する企業をさらに自分で研究し、日本流にアレンジした事業計画を立てて仲間を集め、翌年には会社を設立していました。大袈裟でなく、この本に出会わなければスペースマーケットという会社は産声を上げなかったと思います。

自分の日常とかけ離れた世界にできるだけ触れたい

 普段の読書は、電子書籍で読むことが多いですね。雑誌やニュース記事などチェックすべき情報が多いので、じっくりと本を読めるのは月に数冊ペースですが、できるだけ〝自分の日常とかけ離れた世界〞に触れられる本を選んでいます。最近読んだ本でいうと、日本の裏世界を描いたルポ『サカナとヤクザ』(鈴木智彦、小学館)、極地に挑む探検家の記録『極夜行』(角幡唯介、文藝春秋)など。

 今の時代は、放っておくと自分の属性や好みに近い情報ばかりが勧められ、集まってくる。YouTubeでキーワード検索すると、延々と関連映像が流れてきます。一つのジャンルを調べるには便利な世の中かもしれませんが、無意識のうちに思考の偏りが生まれやすいことを自覚しないといけません。経営は、人間をしっかりと理解しなければできないものだと思いますし、自分が想像もしないような世界で暮らす人の実像を知ろうとしなければ、いいサービスは生み出せないはずです。だから、できるだけ特定のジャンルに偏らないように、多様な作品に触れるようにしています。

 漫画も好きで、最近では子どもたちと一緒に『インベスターZ』(三田紀房、講談社)を楽しんでいます。この作品は、社会に出てからの戦い方を教えてくれるのがいいですね。

 マネジメントの参考書として何度も読み返しているのは、ラグビー元日本代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズの関連本です。僕がラグビーファンだから手に取ったというのもありますが、日本代表を世界の舞台に押し上げたチーム編成の考え方、モチベーションを高めるための声のかけ方、専門家と連携する手法など、組織の成長に欠かせない視点を学べます。特に『コーチングとは「信じること」』(生島淳、文藝春秋)は、ビジネスパーソンにも深く通じる内容だと思います。

 最初に読むのは電子書籍ですが、感動した本は紙版も買って、会社のメンバーに貸すこともよくあります。スマホを覗けばたくさんの情報が溢れますが、本ほど濃密でまとまった情報を得られるコンテンツはない。何より、会いたい人にすぐ会えて、本質的な対話ができるのが本の良さ。これからも自分の世界を広げるきっかけにしていきたいですね。

HISTORY

1976
千葉県生まれ
2000
[23歳]早稲田大学法学部卒業後、NTT東日本に入社。法人営業やプロモーションに携わる。
2006
[30歳]当時10数名規模だったベンチャー企業、フォトクリエイトに参画。 新規事業開発、広報、採用に携わる。また、国内外企業との事業提携を多数手がける。
2013
[37歳]フォトクリエイトが東証マザーズに上場。同時期、自身の起業について具体的に構想を進める。

☆ここで『シェア〈共有〉からビジネスを生みだす新戦略』に出会った

2014
[38歳]スペースマーケットを創業。全国の貸しスペースをマッチングするサービスを展開し、日本のシェアリングエコノミーを牽引する企業として注目される。
2016
[40歳]一般社団法人シェアリングエコノミー協会を設立。代表理事に就任する。同年、民泊事業も開始。
2019
[43歳]現在、貸しスペースの登録件数は1万件超に。JTB、東京建物など、他社提携も積極的に展開する。

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