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わたしのBOOK MARK

-第25回-コンカー代表取締役社長 三村真宗さん

本は、時に友となり、師となるもの。
人生の転機の支えとなった1冊とは?
時代を拓く注目のビジネスリーダーに聞く連載。
第25回は、出張・経費管理システムの業界トップ企業、コンカー代表取締役社長の三村真宗さんです。
文/宮本恵理子 撮影/竹田俊晴

採用戦略に迷っていた社長就任直後、組織づくりの指針となる一節が、目を開かせてくれた

 先日、この春に入社予定の新入社員から「社会人になるまでにしておくべきこと」を聞かれたんです。私は迷わず「英語の勉強と読書」と答えました。英語は、外資系企業で働く上での基礎スキルとして。読書を勧めたのは、私自身の経験から「ビジネスパーソンとしての血肉をつくるもの」という実感を強く持っているからです。

 大学卒業後、外資系企業でキャリアを積んできた私は、常に「年齢や経験に見合わない重責のポジションを任される」というプレッシャーと闘ってきました。特に最初に入社したSAPジャパンでは、日本法人の立ち上げから関わったこともあって、製品の販売管理、マーケティング、経営企画など様々な役割を担い、常に勉強を課される環境で20代を過ごしました。

 経験が役割に追いつかない時期に、私の拠り所になったのが本です。当時は書店に足繁く通っては、学びたい分野のコーナーの前に行って、棚の端から端までまとめ買い。当時の給料ではかなり高い買い物でしたが、必要な投資だと思っていました。

 買った本はまず目次をざっと読み比べ、複数の本に登場するキーワードをピックアップ。「後続されない考え方を学ぶのは非効率」と考え、繰り返し書かれている真理を吸収しようとしていました。週末はほとんどビジネス書を読む時間に費やしていたと思います。

 本を人一倍読み込んだことは、自信につながりました。そしてその自信は、リーダーとして発する言葉の重みや態度にも、自然と宿るものです。一人の人生で得られる実地の経験には限りがありますが、本からは無限の仮想体験を得られます。

 29歳の時には初めて事業本部長という立場になりましたが、それまでの読書から得られていた「ビジョンを掲げ、メンバーに伝えて、行動の指針とする」というリーダーシップを実践し、結果を出すことができました。この成功体験をさらに活かすべく、〝ビジョンの中身〞を磨くために必要な英知をと、関連本を手に取るようになりました。『ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則』(ジェームズ・C・コリンズ、日経BP社)は、その時に出会った本の中の1冊でした。

人を重視する経営に注力し「働きがいのある会社」1位に

 シリーズ前作となる『ビジョナリーカンパニー』は、米国の有名企業が掲げたミッションステートメントを紹介したカタログ的な本。こちらも読んではいましたが、シリーズ2は経営の方法論が体系立ててまとめられたもので、当時の私がまさに欲していた内容でした。

 〝ビジョカン2〞は多くの経営者がバイブルとして挙げる名著ですが、私もある時をきっかけに、折に触れて何度もめくっては参照するようになりました。きっかけとは、2011年、経費精算システムのグローバル企業、コンカーの日本法人社長就任です。

 特に腹落ちしたのは、「だれをバスに乗せるか」と題した章。「まず人を選び、それから目標を決める」という順序で示された記述を読みながら、「自分はどちらも中途半端だった」と反省しました。当時、会社の体制づくりに焦っていた私が即戦力重視の採用を続けた結果、社内の意思決定にバラつきが生じていたのです。

 以来、共に旅をする仲間を選ぶことを何より重視し、その仲間たちが存分に力を発揮できる環境づくりに注力してきました。その甲斐あってか、昨年から2年連続で日本における「働きがいのある会社」の1位に選出されました。後から知ったことですが、当社の創業者もこの本のファンだったそうです。私は英語の勉強も兼ねて、原著のオーディオブックも繰り返し聴きました。

 最近はすっかり読書量が減ってしまいましたが、歴史小説を読むのも好きです。司馬遼太郎さんの『関ヶ原』(新潮社)など名将のリーダーシップの多様性を知れる作品や、巨大組織の運営論として読める塩野七生さんの『ローマ人の物語』(新潮社)など。気分転換のつもりで手に取っても、つい経営者視点で読むクセが染み付いてしまっているのかもしれませんね(笑)

HISTORY

1969
東京都生まれ。
1993
[23歳]慶應義塾大学法学部卒業後、日本法人設立間もないSAPジャパンに入社。ERP製品の販売管理を担当。
1998
[29歳]CRM事業本部長として事業を統括する立場に。その後、製品マーケティング本部長などを歴任。

☆ここで『ビジョナリーカンパニー 2』に出会った

2006
[37歳]マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。金融・通信分野の戦略コンサルティングに従事する。
2009
[40歳]ベタープレイス・ジャパンにてシニア・バイスプレジデントに就任。
2011
[42歳]コンカー日本法人の代表取締役社長に就任。国内経費精算市場で売り上げトップシェアを14~17年の4年連続で獲得する。
2018
[49歳]日本における「働きがいのある会社ランキング」(Great PlaceTo Work Institute Japan)の従業員100~999人部門で1位に。翌年も連続1位、女性部門でも1位となる。

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