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わたしのBOOK MARK

-第31回-ソウ・エクスペリエンス代表取締役 西村琢さん

本は、時に友となり、師となるもの。
人生の転機の支えとなった1冊とは?
時代を拓く注目のビジネスリーダーに聞く連載。
第31回は、体験ギフトの企画販売を展開するソウ・エクスペリエンス代表取締役の西村琢さんです。
https://www.sowxp.co.jp/
文/宮本恵理子 撮影/竹井俊晴

夢中になれるものへと突き進め
それが経済的に合理的な選択であることを教えてくれた、村上龍さんの随筆集

 本物の感動や驚きは、体験してみないと得られない。体験の数ほど、世界が広がり、夢中になれるものを見つけるチャンスに出会えるはず。だから、もっとたくさんの人に、“体で験ためす”機会を持ってほしい。

 そんな思いから、14年前に体験ギフトの会社を創業しました。大企業に就職する安泰の道を捨ててでも、選ぶ価値があると信じた、思い切った挑戦。その選択をする上で大きな後ろ盾になったのが、村上龍さんのエッセイでした。数多いる作家の中でも村上さんが書くエッセイを好きなのは、現実主義者的な合理的思考に裏打ちされた、クールな言い切りに納得できるから。小説を書く際の取材で獲得した膨大な知見に基づいて、文学、教育、国際経済と様々な視点から事象を語る文体が好きで、大学生の頃には、村上さんのメールマガジン「JMM」も愛読していました。

未知と不思議に出会うため
多様な本を手に取る

 今でこそ「好きなことを仕事にする」という価値観が優勢になりつつありますが、90年代から「好きで夢中になれるものにできるだけ早く出会い、時間とエネルギーを投入した者が最も効率よく稼げる時代になる」と説いていた先見性には、今読んでも新鮮な驚きを感じられます。「いい・悪い」ではなく、経済的合理性として展開するロジックに納得できましたし、「ならば、好きなことを見つけられるきっかけとなる“多様な体験”を届ける事業を興そう」と、僕の創業の原点になったと言っても過言ではありません。

 この『村上龍 文学的エッセイ集』は90年代後半から2000年代初めにかけて雑誌やJMMで発信された珠玉のエッセイを集めたもの。450ページ超の分厚い本をめくる楽しみもあり、自宅のリビングにある本棚に長く置いている愛読書です。

 普段の読書は、会社から自宅に帰る電車の中でゆっくりと。僕は今、逗子暮らしをしているので、電車で片道1時間半ほどかける移動時間が心地いい読書時間になっています。興味関心の向くままにいろんなジャンルの本を読む雑食派で、最近読んで面白かったのは、海外で活躍するF1エンジニア、小松礼雄さんの『エンジニアが明かすF1の世界』(東邦出版)や、『炎の牛肉教室!』(山本謙治、講談社)ちょっとマニアックですよね(笑)

 好奇心を満たしてくれるような本が好きで、先日逝去された瀧本哲史さんの『ミライの授業』(講談社)も時々読み返します。

 ノンフィクションに偏りがちなのは、僕自身が「この世の中に溢れる不思議と未知に出会いたい」という欲求が強いからでしょうね。

 創業から数年経った頃には、内田樹さんや養老孟司さんの文章もよく読んでいました。村上さん含めての共通点は、“身体性”を感じられることかもしれません。フィールドワークに裏打ちされた思考に魅力を感じます。

 最近いいなと発見したのは、話題の翻訳本の原著を、あえて英語で読んでみるという読書術。慣れない言語に挑戦することで、知らない単語を調べたりと、あちこち寄り道するのがいい。一気に読み進められないからこそ「自分で考える余白」が生まれて、思いつきを書き連ねてみたり、誰かに連絡してみたり、新たなアクションが生まれるんです。読んだ冊数を競う人もいるかもしれませんが、僕は数は少なくても、“行動に結びつく読書”ができたときに満たされた気持ちになります。

 オフィスには社員の皆がおすすめの本を持ち寄る本棚も置いているんです。本はそこにあるだけで会話が生まれるから、いいですよね。最近は、本好きの社員が集まって社内読書会も開催しているらしいです。

 実は、2年前に村上龍さんがホストを務めるドキュメンタリー番組『カンブリア宮殿』にゲストとして呼んでいただくという機会に恵まれました。「実はあなたの文章が強い後ろ盾になりました」という言葉が一瞬出かかりましたが、結局、そうしませんでした。あえて伝えないまま走り続けたほうがいいかな。なんとなく、そう思ったんですよね。

HISTORY

1981
東京都に生まれる。
2000
[18歳]慶應義塾大学経済学部に入学。投資戦略について実践・研究を行う学生有志団体「株式投資クラブ」を立ち上げ、セミナー活動などを行う。

☆ここで『村上龍文学的エッセイ集』に出会った

2003
[21歳]在学中に、松下電器産業(現パナソニック)の学生向けビジネスプランコンテストで優勝。同社から出資を得て事業化する権利を獲得する。
2004
[22歳]同社に入社。
2005
[23歳]ソウ・エクスペリエンスを設立。日本では体験ギフトサービスを展開する。グルメ、エステ、アフタヌーンティー、アウトドアなど、多彩な体験チケットを贈る文化を発信。
2015
[34歳]「子連れ出勤100社プロジェクト」をスタート。先進的な働き方を進める企業としても注目を集める。
2017
[36歳]体験ギフト商品の出荷数が10万個を突破する。

honto+10月号読者プレゼント わたしのBOOK MARK掲載「直筆メッセージ入り“転機本”村上龍文学的エッセイ集」

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