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わたしのBOOK MARK

-第32回-アイランド 代表取締役 粟飯原理咲さん

本は、時に友となり、師となるもの。
人生の転機の支えとなった1冊とは?
時代を拓く注目のビジネスリーダーに聞く連載。
第32回は、「レシピブログ」「朝時間.jp」などのサイトを展開するアイランド代表取締役の粟飯原理咲さんです。
文/宮本恵理子 撮影/竹井俊晴

いつでも、どこでも、日常はアートになる。
仕事と人生を楽しむときめきをくれた1冊

「暮らしとは、アートである」。まず、この言葉に強く惹かれました。

 著者は、東京日仏学院の副院長を経て、雑誌やテレビのプロデュース、料理研究家としても活躍されたフランス人、パトリス・ジュリアンさん。たまたま立ち寄った書店で『生活はアート』を手に取ったのは、この本が出版された1996年。その年は、私が大学を卒業して就職し、初めて東京生活を始めた年でした。

“堅め”といわれる企業に入り、6畳一間の社宅での生活を始めたばかりだった私。もともと大使館の公務員だったというパトリスさんが日仏学院の役職に就き、学院の物入れを改修してカフェを開いたり、自宅では毎日の食卓に花やキャンドルを飾ったりと、日常のすべての事象を楽しみ、より心地よく塗り替えていくエピソードの数々にときめきました。

 それまでの私は、アートとは“美術館の壁にかかった絵画”のように、手が届きにくいものだと思っていました。そうではなく、既成の枠を取り払い、身の周りの生活を新しく捉え直す視点や行動こそがアートなのだと発見し、目から鱗が落ちる思いでした。

 私の幼い頃の愛読書は『赤毛のアン』シリーズ(モンゴメリ、新潮社)。私もアンに似た空想少女で、「こんなことができたら楽しいな」と頭の中で描くのが大好きでした。『生活はアート』は、そんな私の発想力を刺激して、「自分のアイディアをもっと自由に、どんどん形にしていいんだよ」と背中を押してくれた本でした。

 社会に出てすぐに出会った良書の影響は大きかったと思います。本を読んだその年に、私は社外活動として生活者視点で女性を集めるネットワークをつくって組織化。「おとりよせネット」「レシピブログ」「朝時間.jp」など、これまで立ち上げたサイトのすべてにも、この本から受け取った感動がそのまま生きています。

 パトリスさんの1冊の本を通じて私の世界がぐんと広がったように、多くの人の日常をもっと楽しく、ワクワクと心地いいものに変えられるサービスをつくっていきたい。そんなふうに自分の仕事の価値を位置付けて16年やってきました。実は12年前、パトリスさんご本人のご自宅でインタビューする機会に恵まれたのですが、あまりにも緊張して「ファンです」としか伝えられず…(笑)。この場を借りて、私の人生の礎となる本を書いてくださったことへの感謝を伝えたいです。

ピンチを救い、ヒントをくれる

 創業してから直面した課題を乗り越える上でも、いくつもの本が支えになってくれました。例えば、創業から3年経った頃、頼りにしていた社員から退職を告げられて失意の底にいた私を救ってくれたのは、『自分の小さな「箱」から脱出する方法』(アービンジャー・インスティチュート、大和書房)。自分本位の期待を捨て、「食にまつわる挑戦を始めたい」という彼女の夢を応援できるようになりました。

『スターバックス再生物語』(ハワード・シュルツ、徳間書店)からは、ブランディングのヒントをたくさん。1杯のコーヒーとそれを提供する空間で人を魅了し続ける。その過程の葛藤や失敗も赤裸々に語り綴った創業者のドキュメントに引き込まれます。

『赤毛のアン』も大人になってから読み直すと、またいいんです。アンの少女時代のいきいきとした自然描写は、作者の瑞々しい感性に驚かされます。そして、成人して教師となったアンが、つらい体験を乗り越えようとする。その支えになったのは、少女時代に育んだ想像力や発想力だったのだとも。感性を大切に事業をつくっていくことの価値に、あらためて気づかされます。

 こうやって振り返ると、やっぱり私の人生にとって読書は欠かせないものですね。近場の温泉に行って、宿で“お籠り読書”するのも至福のひと時。週に一度は仕事帰りに書店に寄って、“今の空気”を感じています。読書好きの友人とオススメ本の情報交換も楽しくて。すぐには読めなくても、「いつか読もう。きっと面白いんだろうなぁ」と想像するだけで、これから先の人生が楽しみになるんですよ。

HISTORY

1974
東京都に生まれ、大阪で育つ。
1996
[22歳]筑波大学卒業後、NTTコミュニケーションズに入社。入社1年目に、生活者視点での女性ネットワークをつくり、最盛期には約千人が参加。在職中、ネット上で寄せ書きを集めるサービス「よせがきコム」を立ち上げる。

☆ここで『生活はアート』に出会った

2000
[26歳]リクルートへ転職。オープン直後の情報サイト「All About」のマーケティングを担当。日経ウーマン「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」ネット部門1位受賞。
2003
[29歳]会社を退職し、アイランドの代表取締役に就任。全国のおいしいお取り寄せ品を紹介するサイト「おとりよせネット」をオープン。
2005
[31歳]料理ブログのポータルサイト「レシピブログ」をオープン。
2006
[32歳]朝型生活を提案するサイト「朝時間.jp」をオープン。
2015
[41歳]料理でつながるインスタグラマーコミュニティ「フーディーテーブル(旧クッキングラム)」をオープン。
2019
[45歳]レシピブログ公式ムックが累計110万部を突破。

honto+11月号読者プレゼント わたしのBOOK MARK掲載「直筆メッセージ入り“転機本”生活はアート」

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