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わたしのBOOK MARK

-第6回-レオス・キャピタルワークス 代表取締役社長兼最高投資責任者 藤野英人さん

本は、時に友となり、師となるもの。
人生の転機の支えとなった1冊とは?
時代を拓く注目のビジネスリーダーに聞く連載。
第6 回は、2000 年頃からカリスマファンドマネジャーとして注目され、
日本の投資カルチャーを牽引する藤野英人さんです。
文/宮本恵理子 撮影/竹井俊晴

日本を代表するファンドをつくりたい人生の目標はこの1 冊との出会いで見つかった

長期運用を前提に日本の成長企業に投資するファンド「ひふみ投信」を運用するレオス・キャピタルワークスの代表を務め、最高投資責任者も兼任しています。「投資は投機」「株価が上がったら売って儲ければいい」という価値観を脱して、「自分のお金のできる範囲で、頑張る企業を応援して資産を殖やそう」というお金の使い方の発信に力入れています。おかげさまで「R&Iファンド大賞」を連続受賞するなどご支持をいただいて、会社での運用資産は4000億円を突破。2008年に1億5000万円という小規模で始めた当初の実績から大きく飛躍しました。

伝説の投資家の仕事の流儀に憧れて

外資系投資会社に在籍していた2000年頃、不本意ながら「カリスマファンドマネジャー」と呼ばれたりしましたが、実は、この世界にこれほど深く入るつもりはありませんでした。学生時代の目標は弁護士か検察官になること。司法試験に合格するまでのとりあえずの就職先として、野村投資顧問(当時)に入社しました。そこで先輩から「投資に関わる仕事をするなら読んでおくといい」と渡された1冊が、『ピーター・リンチの株で勝つ』です。タイトルは強めの印象を受けますが、中身は読みやすい投資の指南書。ピーター・リンチは、バフェットやソロスと名を連ねる伝説の投資家の一人。歴史的冒険家にちなんだ「マゼラン・ファンド」を運用した13年間で運用総額1800万ドルから140億ドルまで殖やしたという驚異的な実績で知られています。
 本書を読んで私が感銘を受けたのは、リンチが地道な会社訪問を大事にしていたことです。その会社が応援するに足る価値があるかどうか、経営者に会ってインタビューをすることに時間をかける、という姿勢に「こういう仕事なら自分もやってみたい」とワクワクしたのを覚えています。
 また、「リンチが人生の大きな転機となる行動を起こす時、株価は暴落する」という“法則”は、私自身にも当てはまり、妙に親近感を覚えました(私の入社日は史上2番目の暴落日でした)。本を読み進めるうち、「いつかこの手で、日本を代表するファンドをつくってみたい」という目標も明確になりました。つまり、この本との出会いがなければ、私は投資のプロとして本気で打ち込むことはなかったかもしれません。

本を買う行動は投資に少し似ている

本はよく読む方だと思います。同時進行で複数読む乱読派。スマートフォンのエバーノートアプリと連携して、読書メモを作るのが習慣になっています。今読んでいるのは『反脆弱性』(ナシーム・ニコラス・タレブ)、『キングダム』(原泰久)、『オプションB』(シェリル・サンドバーグ、アダム・グラント)、『竜馬がゆく』(司馬遼太郎)。本は、著者の人生が凝縮した学びや表現をたった数時間で吸収することができる“超時短の道具”。昔、命がけで海を渡った遣唐使が持ち帰った宝の大半が、実は書物だったというのはとても好きなエピソードです。また、本を買う行動は投資や人気投素敵な言葉や高潔な考えにできるだけ触れていたい。いい本を読めば、運も信用も高まっていくはず。これからも1冊でも多くの良書に触れていきたいと思います。票と少し似ています。「共感できる」「応援したい」と思う著者の本を1冊買うことは、その人への確実なエールになる。たとえ読まずに積むだけでも、1票を投じたことになると思います。私も本を出した経験があるからでしょうか。書店に行くと、そこにひしめく本たちの“心の叫び”が聞こえてくるんです。「私を買ってー!」「棚に挿されて窮屈なんだ。出してくれ~」「明日には回収されちゃうー!」なんてね(笑)。レジ前で山積みになっているベストセラーは「えへん」と威張っています。そんなふうに見てみると、とたんに書店は賑やかな世界になって楽しめるかもしれませんよ。

HISTORY

1966
富山県に生まれる。
1990
[23歳]早稲田大学卒業後、野村投資顧問(現・野村アセットマネジメント)に入社。当初は司法試験に受かるための“腰掛け”のつもりで、投資の世界に入った。
☆ここで出会った!
1996
[30歳]ジャーディン フレミング投信・投資顧問(現・JP モルガン・アセット・マネジメント)に入社。
2000
[33歳]ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントに入社。この頃、「カリスマファンドマネジャー」と呼ばれ、注目される。明治大学で教鞭をとる。
2003
[36歳]日本を代表する投信づくりを目指して、レオス・キャピタルワークスを創業。代表取締役社長兼最高投資責任者(CIO)に就任。
2008
[42歳]自ら設計した「ひふみ投信」の運用を開始。
2009
[43歳]リーマンショックの影響を受け、自社の株式を1株1円で売却。社長を辞任し、CIOの職務に専念。
2015
[49歳]社長に復帰。
2017
[51歳]自社の運用資産総額が4000億円を突破。

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