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わたしのBOOK MARK

-第8回-サイボウズ 代表取締役社長 青野慶久さん

本は、時に友となり、師となるもの。
人生の転機の支えとなった1冊とは?
時代を拓く注目のビジネスリーダーに聞く連載。
第8回は、業務管理ソフトのグループウェアを開発し、
独自の働き方改革でも注目を集める
サイボウズ代表の青野慶久さんです。
文/宮本恵理子 撮影/篠塚ようこ

たくさんの本に触れ、「不変の真理」を導き出すそれがビジネスを進めるエンジンになります

本は普段からよく読みます。会社の経営に役立つものを、と手に取ると自然とビジネス書ばかりになってしまいますが、電子書籍リーダーには何百冊とストックしていて多読乱読。「いつか読もう」ととりあえず買った本が溜まる“積ん読”派でもあります。

たくさんの本を読んで共通のエッセンスを抽出する

本が素晴らしいのは、身分や立場を問わず、「この人の話を聞きたい」と思った相手の思考にすぐ触れられること。それに、読めば読むだけ膨大な量のインプットができます。僕の読書法は、「なるほど」と感じた箇所に付箋を貼りながらまず1回通読。次に、付箋を貼った箇所の文章を、PC上の自分専用のデータベース集(「知識箱」と名付けています)に書き写す。この作業をすることで、内容が腹落ちするんです。
この作業を重ねながらたくさんの本を読んでいくと、「複数の本で書かれている共通点」に気づけるというメリットがあります。そもそも一冊の本は、著者の人生経験から得た学びを凝縮したエッセンスのようなものですが、それを集めてさらに凝縮して抽出したエッセンスを自分なりに発見するのがとても面白いし、当然ながら役に立つのです。僕は理系出身で、「すべてのことをシンプルに考えたい」という志向があるから、こういう読書法になったのかもしれません。
サイボウズは今年で20周年を迎え、「働きやすい会社ランキング」の上位に選ばれる会社になりましたが、2005年に僕が社長に就任した頃は成長の道筋が描けず、離職率も28%。子会社の赤字や創業メンバーの退任など、経営低迷の霧の中、もがく日々が続いていました。そんなときによく出かけたのが書店でした。書店に行けば、自分の悶々とした悩みに対して、誰かが導き出してくれた回答を見つけられるはずだと思ったからです。

「ビジョナリー合宿」で会社のスローガンが完成

どれくらいの本を読んだでしょうか。ある時、ある真理がはっきりと浮かび上がってきました。すなわち、「人間は理想に向かって行動する」。同時に、会社経営においても、理想を仲間と共有することが重要なのだと気付いたのです。
 そして企画したのが、会社が目指す理念を明文化するための研修です。議論を活発に進めるためには、そのベースとなる共通言語にできる本があると便利です。そこで題材として選んだのが、当時、経営者の中でも支持を集めていたジェームズ・C・コリンズの『ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則』です。この本に書かれていた、サイボウズにおける「針鼠の概念(優れた企業が持つ単純明快な戦略のこと)」は何か? などみっちりと話し合った結果、「世界で一番使われるグループウェア・メーカーになる」というスローガンを作り出すことができました。僕はこの時の合宿を「ビジョナリー合宿」と呼んで、当時の資料は10年経った今でも大切に保管してあります。

 また、同じ時期に読んだ『松下幸之助 日々のことば』にあった「本気になって真剣に志を立てよう」という言葉も、心に深く響きました。最近では、『ワンピース』はビジネスに効く漫画だと聞いて挑戦中です。しかし、小学2年生の長男が読むペースになかなか追いつきません。

 冒頭、ビジネス書ばかり読むと述べましたが、毎晩寝る前には子どもたちに絵本の読み聞かせをするのも習慣です。昨日もアンパンマンの物語で一日を終えました。本棚は子どもの本ばかりで、僕が使わせてもらえるのは一角だけ(笑)。だから、電子書籍派になったという説も。僕がそうだったように、子どもたちにはたくさんの本に触れて育ってほしいと思います。

HISTORY

1971
愛媛県に生まれる。
1994
[23歳] 大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、松下電工(現パナソニック)に入社。エンジニアとして経験を重ねる。
1997
[26歳] 仲間と3人でサイボウズを設立。取締役副社長に就任する。
2005
[34歳]社長に就任。M&Aを積極的に進める。
2007
[36歳]会社の理念を共通の言葉で明文化するための研修「ビジョナリー合宿」を実施する。
☆ここで出会った!
2010
[39歳]第1子誕生に伴い、育児休暇を取得。その後、第2子誕生(2012年)、第3子誕生(2015年)でも育休を取得し、「イクメン社長」として話題になる。
2013
[42歳]働き方改革推進の成果として、かつて28%だった離職率が4%を切るまでに。
2016
[45歳]「サイボウズOffi ce」の導入社数は50,000社以上に。個人も使える無料グループウェア「サイボウズLive」 も200万ユーザーを突破。

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