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連続インタビュー<クリエイターズ・ファイル>

Creative Works Interview18 シンガーソングライター/KUNIMATSU ボイスアカデミー代表
国松ちえり(46歳)

トップクリエイターに密着し、その姿を浮き彫りにするシリーズ、今回は古瀬由美(「雲の椅子」)や桑木アン(「恋愛scramble !」)など数々の楽曲提供で知られ、自身も日本を代表するシンガーソングライターである国松ちえりが登場!

*クリエイターズ・ファイルの単行本発売が決定しました。
クリエイターズ・ファイルVol.1
2016年9月20日発売。価格1,400円+税(DVD付き)
ご予約、詳細はこちら。

撮影:浅田政志

At The Meeting

―はじめまして。本日はよろしくお願いします。今回は楽曲提供ではなく、自身のアルバムを2年ぶりにリリースされるそうですが、お話を聞かせていただいてよろしいでしょうか? 
 はい、よろしくお願いします。正直なところ、2年間、アルバムを出していませんでしたが、シンガーソングライター・国松ちえりとしての楽曲提供は2年間たっぷりやってきたつもりです。
―歌手の古瀬由美さんへの楽曲提供、さらにモデルの桑木アンジさんに関しては全面プロデュースをされていたということですが。
 そうです。そうです。じつはこっそり、というか、隠していたわけじゃないんだけど(笑)、とにかくたくさんの曲は提供しているんです。俳優の橋本嵐さんの曲「ミラーボールは騙せない」、畑野キミコand 当麻ゆかの「レンズ越しに嫉妬しないで!!」、JJガールズの「Summer ~ビーチサンダルを君の分まで用意するわけないじゃない~」等々。リリース時期の問題やら、大人の事情やらで、セールスはそんなに伸びなかったみたいですけど(笑)。
 ですが、この2年のあいだ、シンガーソングライターとしての自分のあり方、ファンの皆様やスタッフの皆様のあり方、その辺をゆっくり考えることができたんです。そうなったとき、やはり楽曲提供も自分の表現の一つですが、やはり自分でしか、国松でしか伝
えることのできない世界観ていうのもあって。

↑やっぱり、人に書くのと自分で歌うのとはまったく違うと国松は言う

 自分で主催しているボイスアカデミーの生徒たちを見て、感じたりするうちに、突然、やっぱり自分が歌いたいー! って(笑)なったんです。
今このとき、この瞬間しか残せないものがあるはずー! って(笑)。なんかそう思っちゃったんです、うん。もちろん楽曲提供をやめるつもりもなく、実際、「高松B級グルメフェア」のテーマソング「味の手紙」も提供が決まってたりするので。とにかく今だけは、歌は自分の声帯を使ってファンに届けたいって感じかな。少し人の声帯に頼りすぎてたのかな、とも思うし。
 ごめんなさい、記事にしづらいですよね(笑)。
―実際、アルバム発表を皮切りに、「ライブツアー 2016 ~還元~」も行うとお聞きしましたが。
 知ってますね~(笑)。そうです、ツアーやるのよ~(笑)。久々に全国回ってみようかなって。ここはプロデューサー国松ちえりじゃなく、原点に返ってシンガー国松ちえりとして回るつもりです。でも、2年のあいだ、ものすごくすてきな出会いもあったんです。もちろん元木プロデューサーとの絆は強くなった気がしますし、なんといっても、ラングの子たちとの出会いは大きかった。

↑Rumi の美声は和製ダイアナ・キャットだと国松は言う

―ラング、とは?
 あ、ラングドシャの子たちです。女性音楽ユニット「langue de chat」。今までは自分のやりやすい環境で、自分の知っている範囲の人としか仕事はしなかった。ですが、たまたま高円寺のライブハウスで見た彼女たちのステージに驚愕したんです。何もかもが新鮮でした。すぐに曲を書かせてって、直談判(笑)。お金なんていらない。とにかく一秒でも早く私に曲を書かせてって。
 それほど彼女たちのステージはパワフルだった。ボーカルのRumi、ピアノのシャーコ、デジタルマラカスの松永、たった3人なのに50人はいるんじゃないかなっていうくらいのステージ。そんな彼女たちが私に言うの。私たちは国松さんの曲で育った世代です。もちろん国松さんが曲を提供してくださるのはめちゃんこ嬉しいのですが、私たちは今の国松さんと一緒に歌いたい。一緒のステージに立ちたいって。そう言うんです。
正直びっくり。ていうか私も、もうそういう世代なんだなって(笑)。そこで今回のアルバムには、私ひとりじゃなく、彼女たちの音もプラスしていい音楽ができればな、いい化学反応が起こればな、という思いで挑みました。

On The Stage

―(2016.8.3 大塚Woody Hall)日を改めて、ライブ当日の打ち合わせにお邪魔しました。慌ただしい雰囲気ですが、どういう状況ですか?
 ちょっと、セットリストでもめていて。私が中心に決めているものなので、今、ラングドシャの意見も聞いている感じなの。私的には「伝説の月」から入って、「赤いジャングルジム」のあと、「そういうことなのかしら」がいいと思ったんです。でもラング的には、「TPO 〜時と場合のKISS 〜」や「KATA-MUSUBI」を前半で歌いあげる攻撃的な国松さんもいいかなって。うーん、そうきたかー。若者ならではの解釈だなって。
―元木プロデューサーはどうお考えですか?
 僕はもう国松に任せているんで、やりたいようにやってもらうだけです。
―お客さんも満員です。ステージに上がる前の心境は?
 ここまで正直、長かったです。でもファンクラブのみなさんも待っていてくれたみたいで、本当に幸せ。じゃ、行ってきます!

↑士気を高めあう国松ちえりwith langue de chat & ツアーstaff

(―pm4:00 温かい拍手と歓声の響くなか、国松ちえりはラングドシャのメンバーとともに、颯爽とステージへ歩を進めた。そこには2年分のすべてを出し切る国松の姿があった)

―ライブ直後に失礼します。おつかれさまでした。アンコールの「ランダリア・ランダリア」を含め全8曲。みごとに歌い上げましたね。
 ありがとうございます。無事に終わりました。みなさんの声援がうれしくて、途中で一度、泣き崩れちゃって。この2年間、本当にいろいろなことがあったので。差し押さえだとか窃盗被害だとか、逆流性食道炎だとか、すべてを思い出してしまって。
―国松さんにとって、歌とは?
 呼吸器というか、酸素ボンベというか、そんな感じかな。
 歌を背負っていればこそ、初めて自分がうまく呼吸できる気がします。私は生涯、見えない酸素ボンベを背負っているのかもしれない。

↑5曲め「情緒」で会場のボルテージはMAX に

↑ライブ中盤、泣き崩れた国松を支えるラングドシャ

―なるほど。ライブを終えた今、一番したいことは?
 曲作りがしたいかな。取り掛かり早いの、私(笑)。あとは、メンバーのみんなとごはん食べに行きたいわね。牛タンが好きなの。おいしい牛タン定食を出す店が新宿のほうにあるんです。
―なるほど。機会あれば牛タン、ご一緒させてください。ありがとうございました。

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