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連続インタビュー<クリエイターズ・ファイル>

Creative Works Interview21 宇宙飛行士/WSC(ワールド・スペース・クラブ)日本プロジェクトリーダー
草野伸也(49歳)

世界を股にかけるクリエイターを紹介するインタビューシリーズ。今回は、宇宙で活躍する日本人が登場!

*クリエイターズ・ファイルの単行本が発売されました。
クリエイターズ・ファイルVol.1
2016年9月20日発売。価格1,400円+税(DVD付き)
詳細はこちら。

撮影:浅田政志 協力:宇宙ミュージアム TeNQ↑宇宙ステーション・キングジュピターⅡの中にて

FLIGHT1

─火星から戻られたばかりのところ、お時間いただきましてありがとうございます。本日はよろしくお願いします。
 よろしくお願いします。宇宙飛行士でWSC(ワールド・スペース・クラブ)日本プロジェクトリーダーの草野と申します。たしかに火星から戻ったばかりで多少の時差ボケみたいなのはありますが、答えられる範囲で答えさせていただきます。
─火星は行くのにどれくらいかかるものなのですか。
 それはそれは本当にはるか彼方です(笑)。ですが、想像していたよりは、長くは感じませんでした。なんとなく体感で説明すると、僕が学生時代に母親の自転車で挑んだ北九州から別府へ行った時の感覚にそっくりでしたね。一緒に乗り込んだ米国人クルーのローランド・ウッドは、ブロードウェーからオークランドくらいかなって言っていました。本当にそれぞれですね。
─火星はどんなところですか?
 当たり前ですが、火の星ですから、とにかく暑いです。最も気をつけなければいけないことは、やはり、火傷です。クルーはみんな、「冷えピタ」みたいな冷却シートをたくさんキャリーバッグに詰めていました。冷やそうにも氷水がないので。
─火星はマイナス60℃の世界だととく学者もいますが。
 そうなんです。僕もそのつもりで行きましたが、全く違った。こっちが拍子抜けしたくらいです(笑)。いざ着いてみたら、えーですよ。
─なるほど。他に火星に持っていったものはありますか?
 やはりいろいろなミッションを行いながら、忙しい時にでも片手で口にできるサンドイッチやいなりなんかは、とにかく重宝しましたね。
─今回の火星探査の主なミッションは何だったのですか。
 はい、今回のミッションは、火星でどのようなライフスタイルが送れるかを探ること。空気感、地域のコミュニティがあるかなどです。物理的にその星に移住が可能だとしても、居心地が悪ければ意味がないですからね。
─その結果は。
 確実に2か所ほどは見つかりました。まだまだ先の話ですが、現に、ここなら将来、自分の家族を連れてきても悪くないなというところはありました。

FLIGHT2

─今まで人類が上陸したことのある星は月だけということでしたが、今回の火星上陸はどうお考えですか?
 いやいや、全然難しく考えてはないですよ。今回、火星に上陸したというだけで、WSCのメンバーとして、冥王星や土星にも行っています。土星なんかは居心地がいいので、最近では、盆、正月は何も考えず土星で過ごしていますね。とにかく、宇宙にはまだ知られていない惑星がたくさんあります。
─草野さんの一番のお気に入りの星は?
 そうですね、こないだ横を通過した白星(はくせい)もすごかったですよ。白い、脱脂綿のかたまりのようなふわふわした星でした。他には、粘星(ねんせい)といって、少しベタベタした星だったり、紙でできたような紙星(しせい)。何がバレてしまったような星が集まった図星(ずせい)などですかね。ですが、あらためてやっぱり地球はすごくいい。よくできた星ですよね。

FLIGHT3

─草野さんが宇宙飛行士を目指したきっかけは?
 宇宙には興味はありましたが、自分が宇宙飛行士になるなんてごめんだとずっと思ってました。ひょんなことからクルーに空きができたんです。そこで、お前乗れよって。
─本当にひょんなことから始まったのですね。
友だちのアルバイト先の社長が、WSCの会長と知り合いでクルーを探していたんです。その社長が僕のバイト先の社長と知り合いだったというのが、事実です。すぐに社長が「草野、お前、宇宙好きだったよな」と声をかけてくれて、宇宙行きが決まりました。
─火星には何日間行ったのですか。
 なんとか有給と自分の休みを組み合わせて10日間で行ってきました。
─本来ですと、向かうだけでも7、8ヶ月かかるという学者もいますが、WSCの技術力は高いのですね。
 はい。WSCに所属してみてあらためてWSCのすごさに気づかされている感じです。NASAやJAXAとは違い、インディーズの強さというか。メジャーではできないことというか。

↑出発直前、WSC のメンバーと士気を高める

─アルバイトから宇宙飛行士へ華麗なる転身。夢がありますね。
 チャンスはどこにあるかわかりません。僕はビルのエアダクトの中の清掃をしながら、このダクトが宇宙のいろいろな星につながっていたらおもしろいなということをいつも考えていました。宇宙飛行士となった今、そう遠くはないと感じています。
─ガガーリンの言葉で「地球は青かった」という言葉があります。草野さんは宇宙に行ってどう感じましたか。
「帰りは意外と早かった」─ですかね。ごめんなさい、シフトが入っているんで、この辺りで、失礼いたします。
─お忙しいところ、ありがとうございました。

↑3年前ゴールデンウィークを利用して白星に上陸した一コマ

↑火星の東側で一枚

「マーズ 火星移住計画」
スカパー! のナショナル ジオグラフィックで放送中
WEB でも第一話無料配信中 詳しくは「ナショジオTV」で検索

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