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連続インタビュー<クリエイターズ・ファイル>

Creative Works Interview26
米ロックバンド
ジ・エマージェンシー

各界クリエイターの姿を追う密着取材シリーズに、米国最大のカリスマバンドが登場!

*クリエイターズ・ファイルの単行本が発売されました。
クリエイターズ・ファイルVol.1
2016年9月20日発売。価格1,400円+税(DVD付き)
詳細はこちら。

通訳: 井田レイ子 撮影:浅田政志

at the Airport

ときは1980年代後半。斬新な音楽性とビジュアルで、世界の音楽シーンをリードしたバンドがあった。「THE EMERGENCY(ジ・エマージェンシー)」。
かの伝説のバンドが、ワールドツアー中盤で、待望の17年ぶりの来日公演をすることとなった。これは音楽シーンにおいて、いや日本のカルチャー全体において事件と言っていいほどの一大ニュースだ。オリジナルメンバーのクロース、アリ、ウィル、ニックに新ボーカルのアンディが加わった新生ジ・エマージェンシー。彼らを一目見たいと日本のファンのボルテージは今最高潮だ。(4月10日)空港到着ゲート前には予想通り、ものすごい数のファンとマスコミが押し寄せ、人だかりができていた。彼らが姿を見せた瞬間、「エマージェンシー!」「アンディ、アンディー!」「ウェルカム・トゥー・ジャパン!」「ウィー・アー・ウェイティング・フォー・エマージェンシー」と空港内が歓声に沸いた。「エマージェンシー!」
 メンバーはサインに応じ、さらには立ち止まって、一人ひとりがファンと会話した。この光景を見るだけで、往年のファンは目頭が熱くなることだろう。
「歓迎してくれてうれしいよ」とギターのアリがファンに向かって口を開いた。「17年ぶりの演奏を楽しみにしていてくれ。日本が大好きだから戻ってきたぜ」とベースのクロースがいつも通りご陽気に話すと、「日本の食べもの、楽しみです。もちろん、ライブも待っててください」と、ドラムのウィルがマスコミに気さくに話しかけた。すると、すぐに「ラーメン、すごくおいしいです。東京で一番おいしいラーメン教えてくれないか?」と、キーボードのニックも相変わらずのキャラクターだ。最後に、「I love TOKYO! Rock&Roll」と独特の間でまとめたのは、カリスマ性抜群のボーカルのアンディ。
米国はもちろん、日本でも女性ファンの多いアンディは、やはり空港でも一番の歓声を浴びていた。インタビューに応じてくれた埼玉在住のファン歴15年の女性は、「エマは音楽性、ファッション性、全てにおいて私のバイブル。アンディに抱かれたら死んでもいい」と答え、左手には自分の電話番号が書かれた紙を握りしめていた。

↑空港にて気さくに写真を撮るアンディ

to RAMEN shop

 空港からハイヤーで移動するメンバーを追いかけた。彼らが立ち寄ったのは、やはり、新宿歌舞伎町のラーメン店だった。
「箸の使い方もバッチリだろう、ほら」と箸を割らずに2本で食べ、我々におどけてみせるニック。「違うぞ、割り箸はそのままじゃなくて、半分に割って使うんだ。入国審査の紙に書いてあっただろう(笑)」とクロースが立ち上がる。(一同ハハハハ)
 アリが「みんな聞いてくれよ。クロースは、六本木のことしか頭にないんだって、さっき言ってたぜ」と話し、「本当かよ」とニック、ウィルが追い打ちをかけると、「ライブ前にひと遊びしたくて仕方ないんだよ」と自白するクロース(一同ハハハハ)。取材陣をはじめ、往年のファンは、このオリジナルメンバーの会話を聞くだけでも目頭が熱くなるはずだ。

↑慣れない箸ですする豚骨ラーメンは意外にも口に合うみたいだ

on the Stage

 ジャパンツアー当日のアリーナは、新しい伝説を目の当たりにせんとするオーディエンスで、パンパンに膨れ上がっていた。開演時刻となりメンバーが登場すると、盛り上がりは最高潮に達した。
「Thank you TOKYO!」とアンディの声が響く。
 1 曲目、いきなり名曲《ティーチャー・イズ・ア・ヒッチハイカー》だ。
イントロが鳴るだけで往年のファンがどよめく。

 ウィルのドラムが、粘りのある独特のリズムを刻み、そこに新生ボーカル・アンディの高音が見事に絡む。息の合った演奏だ。
 この段階で我々は17年前と変わらないどころかエマは確実に進化していると断言できた。続く曲の前に、アンディがMCを挟む。「日本のみんな、待たせたなー! 次の曲は、東京のために作ったんだ。聴いてくれ」
 新曲《TOKYO AIRPORT》だ。「トーキョー・エアポート、トーキョー・エアポート、トーキョー・エアポート」。
 延々とループする楽曲に、オーディエンスは情熱や不安、嫌悪が混ざり、トランス状態。しかし、そこがまた心地いい。これぞ「ジ・エマージェンシー」の真骨頂、ループロックといえよう。
 その後、スマッシュヒットした《それは単純に裏切り行為さ》などを含む全16曲を演奏しきって、ジャパンツアーは終了。オールド・ファンも新しいファンも大満足のステージとなった。

Night Life

 ライブ終了後、仕事で抜けたウィル以外が単独インタビューに応じてくれた。
――日本のステージはいかがでしたか?
アンディ 最高だよ。日本のファンは心から楽しんでくれていると感じたよ。
 それに、みんなキュートだったよ。
――クロースさんはどう感じましたか?
クロース 《ティーチャー・イズ・ア・ヒッチハイカー》のイントロでみんなが反応しているのは本当にシビれたよ。
――アリさん、日本の有名ギタリストたちもたくさん見にこられていましたが、いかがですか?
アリ うれしいね。けど、俺をマネちゃダメ。自分のギタースタイルを見つけるのさ。
――最後に、改めて日本のファンに一言お願いします。
ニック 絶対にまた戻ってくるぜ。
アリ 俺はよくこっそり名古屋に来てるんだ。きしめん、ナンバーワン。
クロース 俺たちの挑戦はまだまだ続くぜ。
アンディ 日本のファンが一番かわいいよ。I love you!
――ありがとうございました。

 取材陣一同感じたことは、間違いなく今世紀最高のバンドだということ。しかし、この後、仕事で抜けたはずのウィルに遭遇した時のことは記事に載せないでおこう。

↑ボーカル・アンディのファンと距離を縮めるウィル

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