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連続インタビュー<クリエイターズ・ファイル>

Creative Works Interview38 3日で6億を手に入れた魔性の女詐欺師
押上 希江(おしあげ きえ)

クリエイターの姿を追う連載にあの押上希江が登場。
世間を揺るがせた、あの〝魔性のシンガポール事件〞の当事者がなぜクリエイターと呼ばれるのか。事件の真相に迫る。

撮影=高橋宗正

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―私たちクリエイターズ・ファイルは、元CCT特別捜査官であり、現犯罪心理ジャーナリストの若松章雄(63)さんと接触することができました。「3日で6億を手に入れた魔性のシンガポール事件」のお話をお聞かせいただけますか。

若松 「よくたどり着きましたね。はい、たしかに、あの〝魔性のシンガポール事件〞は、今となっても曖昧な箇所がたくさんあると言われている事件で す。私は特別捜査班にいた最後の8年間は、ずっと押上希江を担当しておりました」

―どうして〝魔性のシンガポール事件〞と呼ばれているのでしょうか。

若松 「実は他にも色々な事件の呼ばれ方はありまして、〝魔性のモンスーン事件〞、〝6億スコール事件〞、〝July亜熱帯事件〞とも呼ばれています。この被害総額6億40万円の詐欺事件はすべてシンガポールで押上希江に声をかけられた男性が被害者となりました。
しかも、長期にわたる計画で実行された事件ではなく、たったの3日間で緻密な計算をし、巧妙な手口で次々と男性からお金をだましとったということです。

―たったの3日間でそれぞれ別の男性から計6億をだましとることはできるのでしょうか?

若松 「そこなんです。それこそが彼女の魔性の手口なのです。実際に被害者たちは、詐欺にあった実感がないと言うのです。中には、2億円を騙し取られたはずなのに、『それくらいの額ならとられて当然だ』と言い切る男性までいるのです」

↑全国に公開されて話題を呼んだ押上希江の素顔の写真。特徴的な鼻と口が印象的だ

↑慎重に言葉を選び、押上希江について口を開く若松氏。ロングインタビューは初めてだという

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―次に〝魔性のシンガポール事件〞の被害者の方に話を聞くことができました。まずは山田二郎さん(仮名、67歳)。押上希江とはどれくらい付き合っていたのですか?

山田 「3ヶ月ほどです。実際にお会いしたのは3日だけですが、ごく普通に、買い物したり食事したりと楽しい3日間でした。本当に騙されたという自覚はなくて、気づくと彼女に2億3千万ほど使っていました。
 いや、冷静に考えれば騙されていたのは当然ですが、当時はそう思わなかった。詐欺など気にならない次元に踏み込んでいたのかもしれませんね。彼女の持つ魅力というか……なんと言ったらいいんだろ、なかなか言葉で言い表せないというか……。最初にシンガポールで彼女に声をかけられたとき、驚いたんですよ。体も大柄だし、決して顔も私のタイプなんかではなかったんです」

―どうしてお付き合いをされたのですか?

山田 「なんと言ったらいいんだろ……。そうですね……勘弁してください。もう終わったことですから。」

―2億3千万を騙しとった彼女を恨んでいませんか?

山田 「それはもちろん罪は償ってほしいです、でも、まあ、それくらいのことはやってもらっていますので。本当に勘弁してください。すみません……」

―続いては田中義男さん(仮名、54歳)。いつごろ押上と出会われましたか?

田中 「7、8年前です。シンガポールのホテルでお茶を飲んでいたら彼女が声をかけてきました。すぐにデートに発展し、買い物や食事を楽しみました。実際は、3日間だけの出会いですが、ピークのときは1日で1億6千万を使ってしまいました。
 これは本当に許せないし、悔しいし、情けない。ですが、このようなことを言うべきではないのかもしれませんが、たまに思い出してしまうんです。あのモンスーンというか、亜熱帯というか。私のマーライオンというか。まあこの辺で勘弁してください」

―なるほど。さらには、鈴木武史さん(仮名、52歳)も被害にあったといいます。

鈴木 「仕事で心労が重なり、気晴らしに出かけたらシンガポールのキルビア国立公園で声をかけられました。すぐに意気投合し、買い物や食事を楽しみました。彼女はシンガポールにとても詳しく、現地を案内してくれたりと親切でした。彼女の知り合いの骨董品屋で、確実に幸せになれるという壺を勧められました。仕事のストレスで冷静さを失っていたということもありましたが、何より彼女の不思議な笑顔にとりつかれ、気づくと2億1040万円を支払っている自分がいました。絶対に許せないことだと思います。しかし、その被害意識をもかき消してしまうというか……。もの凄いというか。赤道直下というか。私のジョホールバルの奇跡というか……。勘弁していただけませんかね? もう終わったことですし」

―被害者3人にお会いしてみてわかったことは男性3人に被害者意識がないということ。それに、口を揃えて言う、「すごい」ということ。

↑7月13日 山田二郎さん(仮名、67歳)と写る押上希江。シンガポール、セントラル港にて

↑7月14日 鈴木武史さん(仮名、52歳)と写る押上希江。シンガポール、キルビア国立公園にて

↑息を飲んでしまうほどの美しい一枚。口や鼻、目の美的追求には一切の妥協がなかったという

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―再び若松さんにお話を伺います。被害者3人にお会いしてみてわかったことは全員に被害者意識がないということ。それに、口を揃えて言う、「すごい」ということ。さらに、被害者の方々は押上を「彼女はクリエイターだ」と言いますが。

若松 「これに関しては、私もどう言葉を選んだらいいかわかりませんが、多くの被害者はシンガポールの夜が忘れられない、と証言しています。彼女は相手にとりつき、熱帯雨林のような暑く濃密な時間をプロデュースするといいます。被害者の一人が『夢の中で詐欺にあった』と言っていますが、同感ですね」

―同感、というのは?

若松 「私も8年間彼女を専門に追っていましたので、二人きりになることも当然ありました。その中で感じたことは、やはり魔性の詐欺師といわれるだけの……。なんというか……スコール……ジャングル、勘弁していただけませんか。彼女が夜のクリエイターだと言えることはたしかです。詳しくは、私の本を読んでいただけたら」

↑大学時代はテニスサークルに所属し、運動神経は人並みだったという

↑カメラに写りこむ押上希江。コレクションしていた帽子とサングラスは展示会がひらけるほどの数だったという

↑8年間追い続けた押上希江がすべて書かれたノンフィクション官能小説(柿の木出版、2100円)

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