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いっしょに書店、歩きませんか?

vol.20写真家/映画監督 若木信吾

写真家、映画監督、書店オーナーと、多彩な顔を持つ若木信吾さん。さらに昨年、「絵本」の作り手として創作のチャネルを広げた。飽くなき表現活動の源泉とは? 一緒にMARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店を巡りながら、話を聞きました。

プロフィール
若木信吾(わかぎ・しんご)

写真家/映画監督。1971年生まれ。ニューヨーク州ロチェスター工科大学写真学科卒業。雑誌、広告、音楽媒体などで写真家として活躍し、自身が編集を手がける雑誌『youngtree press』も発行する。生まれ育った故郷、静岡県浜松市に書店「BOOKS AND PRINTS」をオープン。俳優、ミュージシャンの写真集作品を多く手がける。撮影・監督を務めた映画作品に『星影のワルツ』『白河夜船』など。2018年、絵本レーベル「若芽舎」を立ち上げた。

生身だけで言葉をつかむ、詩人に憧れます。

「写真でも映像でも、何か新しいテーマに向き合うときは、書店に行って関連する棚を眺めることが多いですね」

 そう言いながら若木信吾さんがまず足を運んだのは、哲学や思想の棚。「哲学をずっと追いかけているわけではないけれど、『人間が何に関心を持ち、どう思想を深めるのか』に興味があって。ほら、このあたりの棚を占めているのは、ここ数年、ブームになっている思弁的唯物論の本ですね。哲学が人間主体である前提を疑う、という視点が面白い。今日はまだ読んでなかった『亡霊のジレンマ』を買って帰ります」

 さらに、「人がなぜ宗教を求めるのかも、いろんな角度から知りたい」と、『映画とキリスト』もお買い上げ。人の内面を知りたくなるのは、〝被写体〞と向き合い続ける職業柄かも。

 そんな話を続けて、次に立ち止まったのは詩集が並ぶ棚。

「詩人の方をお世話していたという知人から聞いたんです。詩人を見ていると、流れる日常の中で、パッと言葉を〝つかむ〞瞬間があるのだと。写真もまさに映像を〝つかむ〞ものなので、近いかもしれない。しかも、詩人は道具を何も使わず、生身だけでつかむ。憧れますし、何か学べるものがあるのではと惹かれています。田村隆一さんのような、スッと素直に入ってくるような詩が好きですね」

現代哲学でここ数年ブームが続く「思弁的唯物論」の関連書が並ぶ

 ここで若木さん、調べたいものがあったことを思い出したと、売り場を移動。

「台湾のフォトフェアで審査員をした時、賞をあげた香港の写真家が題材にしていた〝客家(ハッカ)〞という民族が興味深くて。社会的にはマイノリティでありながら、独自の文化を持ち、豊かで教育熱心。華僑との違いも気になっていたので、『客家・華僑・台湾・中国』を買って調べてみます。僕自身もアメリカ留学時代の経験から、〝少数派〞の生き様には自分を重ねられる。自分自身の内面や体験と深く結びつけられる対象は、長く関心を持てるし、作品の対象にもなりやすい。写真集や映画といった〝形〞が完成した後も、関心がずっと続くような対象と出会えたら幸せですよね」

「言葉をつかむ力を探りたくて」詩が気になる

世界のマイノリティ文化に関心も。中国東北部から台湾に移り住んだ「客家」の本を手に

 最後に若木さんが行き着いたのは、絵本の棚。自身も昨秋、絵本レーベルを立ち上げました。

「きっかけは、自分の子どもが生まれて絵本を読んであげた時の反応が面白かったこと。まだ言葉の構造も理解できず、時間感覚もない2歳頃の子どもは、ストーリーで本を楽しむことはできないから、ビジュアルと音の展開で惹きつけるしかない。書店には『じゃあじゃあ びりびり』『いないいないばあ』のような読み継がれるベストセラーが並ぶけれど、もう何十年も顔ぶれが変わっていないんですね。もっと選択肢を増やしていいと思ったし、僕自身にとっても表現の挑戦になるなと思ってトライしました」

 若木さんの多彩な創作を支えるのは、飽くなき探究心のようです。

若木信吾さんがお買い求めになった本

若木信吾さんと巡った書店

MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店

JR・京王・東急・東京メトロ 渋谷駅 徒歩7~10分
〒150-8019
東京都渋谷区道玄坂2-24-1 東急百貨店本店7階
営業時間
10:00~21:00

MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店は、丸善書店とジュンク堂書店がダブルネームで出店した第1号のお店です。 東急百貨店本店の7階ワンフロアの店舗は、書籍と文具を揃えた日本有数の在庫量を誇っております。また2012年3月からは、NHKのDVDやキャラクター・グッズを取り揃えたNHKスクエアが店舗内に出店いたしました。 他の書店にはない充実した品揃えで、皆様のお越しをお待ち申し上げております。
店舗情報詳細

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