ブックキュレーター作家 石田衣良
この作品との出会いで池袋シリーズができた!IWGPシリーズに影響を与えた本
池袋ウエストゲートパーク(IWGP)シリーズは、2001年に始まり2016年には『西一番街ブラックバイト 池袋ウエストゲートパークⅫ』を発刊。そんな池袋シリーズ、実はぼくが読んできた本にさまざまな影響を受けている。それらの本を紹介したい。
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凶手
アンドリュー・ヴァクス(著) , 佐々田 雅子(訳)
池袋シリーズを書く直前に読んで、これだ!と思った。断章形式、削ぎ落した文体、キャラクターのカラフルさ。すべてがリファレンスになった。IWGP独特のスタイルは、この作品がなければ生まれていなかっただろう。最近、名前をきかないけれど、ヴァクスはどうしているのだろう。
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池袋シリーズももう十二冊目。連作ものの書きかたを教わったのは、池波さんの『鬼平』と『剣客商売』からだ。シリーズはおもしろすぎてはいけない。ゆったりゆるゆるとコンスタントに続けていくのが肝心。さすがに池波さんは大人(たいじん)でいいときも悪いときも悠々と書いている。この変わらなさがいいのだ。
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大学を留年して卒業し、フリーターをしていたころに読んでしびれた。マコトの性格の幾分かは「ぼうや哲」の影響下にある。ぼく自身はギャンブルはやらないけれど、阿佐田さんは日本のギャンブル小説の草分けだと思う。この格差とでたらめな資産価格の乱高下の時代に生きていたら、阿佐田さんはなにをいっただろうか。
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池袋シリーズの文体はシャープさと抒情のバランスでできている。その抒情の部分は小学生から読んでいるブラッドベリの影響を受けた。名作は多々あるけれど、おすすめはこの初長篇。詩人というのは今では、あまりいいほめ言葉ではないけれど、詩がないと長い一生をやりすごしていくのは、つらいとぼくは思う。
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今回は自信作。脱法ハーブ、ブラック企業など今の時代を代表する新しい悪をテーマに、またもシャープに軽々とマコトとキング・タカシが大活躍。いやあ、よく十二冊も書いたなあ。自分でもびっくり。でも、まだまだおもしろいので、ちょっと手にとってみてください。シリーズものの醍醐味があじわえます。
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ブックキュレーター
作家 石田衣良84年に成蹊大学を卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターとして活躍。 97年『池袋ウエストゲートパーク』でオール読物推理小説新人賞を受賞し作家デビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞を受賞。06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、 13年『北斗、ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。『アキハバラ@DEEP』『美丘』など著書多数。小学生低学年から翻訳もののSF・ミステリーに熱中する。[メ-ルマガジン]石田衣良ブックト-ク『小説家と過ごす日曜日』 毎月第2・4金曜日配信中!(http://ishidaira.com/booktalk/)
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