ブックキュレーターhonto編集員
震災を風化させないために。東日本大震災の経過をさまざまな視点で捉えた本
東日本大震災の後、たくさんの関連書籍が出版されています。そのなかでも震災の直後に出版されたものやその経過をまとめた本は、痛烈なイメージがダイレクトに伝わってくるものが多くあります。そこには目を逸らしたくそらしたくなるような場面や表現もあるのですが、あの災害を風化さないため、忘れないために、読んでおきたい本を紹介します。
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地震直後、警察や消防、自衛官、国土交通省の人たちの行動を丁寧に取材したドキュメントです。大災害の後ではそれぞれの職務の専門分野で、知識としてしか知らなかったことを実際に行わなければならなくなりました。公務員は日本では悪者にされがちですが、彼らが真摯にひたむきに職務に当たっている姿を、知ることができる一冊です。
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津波後には前日の見慣れた街の姿はなくなり、水が引いた瓦礫の中には逃げ遅れた人々の遺体が残されました。本書は、臨時の遺体安置所となった体育館で、市の職員やボランティアの人が奮闘する姿が描かれたルポタージュです。はぐれた家族を探す人々に寄り添い、故人を弔う方法を模索しています。死者の尊厳について考えさせられる一冊です。
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震災時に福島第一原子力発電所所長を務めていた吉田昌郎を中心に、福島第一原発事故に迫ったルポタージュ。悪者の代表格のように書かれることの多い東電ですが、この本ではあの時に発電所内部で何が起こっていたのか、官邸や本社との攻防が書かれています。何かを評価するときに一方の視点で判断してはいけない、と改めて考えさせられる一冊です。
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津波の後に避難所で暮らす子どもたちにお願いをして、彼・彼女らが書いた作文をまとめた本です。心に大きな傷を負った子どもたちに作文を依頼することは、一見すると心の傷をえぐる乱暴なことに映ります。だけど文章を書くことによって事実と向き合い表現することで、人は立ち直ることができるのです。作文を通した心の再生をのぞける一冊です。
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