ブックキュレーターhonto編集員
後世に語り継ぐべき真実がここにあります。戦争の狂気を感じさせる本
戦争は人を変えます。普段は温厚で慈悲深い人物も、戦争のもつ狂気に踊らされて残酷なことを犯してしまうこともあります。本人は嫌がっていても、国や上官の命令に逆らえず・・・という場合もあるでしょう。ここに紹介する本は、そんな時代の波に翻弄された人々の心の叫びが詰まったものです。後世に語り継ぐべきことを、ぜひ感じ取ってください。
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サラの鍵
タチアナ・ド・ロネ(著) , 高見 浩(訳)
ナチスによるユダヤ人狩りを題材にした一冊です。ある日、突然ナチスに連行されることになった少女・サラは、せめて弟だけは助けようと家の中に鍵をかけて隠しました。そして自分はナチスの息がかかった施設で、過酷な体験をすることになり・・・。人種差別が引き起こした、目を覆うような狂気が描かれた小説です。
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戦時中、九州の大学附属病院で実際に行われた「生体解剖実験」を描いた小説です。渦中にいるときはそれが医者としての正義だったものの、戦争が終わってみるとただ「人を殺した」という事実だけが残る。そんな当事者の苦しみを、遠藤周作がリアルに描き出しています。「敵なら何をしてもよい」という、戦争の愚かさに怒りがこみ上げてくることでしょう。
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1945年8月15日の戦争終結を阻止すべく、軍によって皇居が攻め込まれたクーデター事件を題材にしたノンフィクション。敗戦間際に突然、それまでとはまったく逆の思想をもてと言われた軍人たちの心の葛藤には、共感できるものがあります。玉音放送は有名でもこの事件についてはあまり知られていないため、本書を読んで驚く読者が後を絶ちません。
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さがしています
アーサー・ビナード(作) , 岡倉 禎志(写真)
1945年8月6日、広島に原爆が投下されました。この絵本には、その瞬間に尊い命を失った人たちが直前まで使っていた「物」が出てきて、持ち主を探していきます。当たり前に存在していた命が、一瞬で奪われる戦争。シンプルな作りだからこそ、著者の「二度と繰り返してはいけない」というメッセージがよく伝わってきます。
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