ブックキュレーターhonto編集員
あの傑作をもう一度楽しめます!夏目漱石のパロディ小説
明治の文豪・夏目漱石。これまでにおびただしい数のパロディ小説が書かれてきましたが、そのなかでも秀逸で、漱石好きには必読とも言える本を集めました。『吾輩は猫である』『こころ』『夢十夜』『明暗』どれも漱石の代表作とも言える傑作ですが、それらをもとに新たな物語を創ろうという著者たちの蛮勇を噛みしめながら読んでください。
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なんとあの苦沙弥先生が何者かに殺されてしまいます。さらに「吾輩」はなぜか上海にいて、シャーロック・ホームズの飼い猫まで登場します。上海の猫たちは先生の死をめぐって推理合戦を繰り広げ・・・。『夢十夜』やH・G・ウェルズ『タイムマシン』のパロデイも含まれていて、重層的なパロディ小説になっています。
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内田百間集成 8 贋作吾輩は猫である
内田 百間(著)
内田百間が、師匠である夏目漱石に捧げたオマージュです。パロディは往々にして原典に対する批評的視点を含みますが、本書は元ネタへの愛に満ちあふれています。「吾輩」は、以前の主人よりもより貧しい主人に飼われるようになります。それ以外に設定の大きな改変はなく、原作の「吾輩」をただ預かり受けたという趣が師への敬愛を感じさせます。
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彼岸先生
島田 雅彦(著)
『こころ』のパロディ小説です。オリジナルでは「先生」は異性の魅力に苦悶し、小さな(?)罪を犯すだけですが、本書では正反対。「先生」はドン・ファン。いわゆる軽薄な女たらしとして描かれています。しかし軽薄には軽薄なりの悩みがあるのです。軽い男にとっての「深刻」とは何か?まだ悩むことは可能なのか、ということを追究した小説です。
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うらなり
小林 信彦(著)
『坊っちゃん』のパロディ小説ですが主人公は坊っちゃんではなく、同僚の教員「うらなり」先生です。うらなりから見た坊っちゃん像が、回想とともに描かれています。『坊っちゃん』はいわゆるユーモア小説でしたが、本書ではうらなりが批評家のような役割を担っていて、『坊っちゃん』で生じた事件の意味を新たに問い直しています。
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