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悪口なのに楽しくなる?「芸」としての毒舌を操る作家の本
作家の手に掛かれば、悪口も芸になります。あの手この手、あんな言葉こんな言葉を使って相手をおとしめます。だけど彼ら彼女らがすごいのは、相手を罵っていながらも、その裏にやさしさまで感じられるところです。裏にはお互い同じ人間だから、という暗黙の共感が伝わってきます。そんな「芸」としての毒舌が楽しめる本を紹介します。
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夜の果てへの旅 新装版 上
セリーヌ(著) , 生田 耕作(訳)
毒舌文学の元祖といえば、セリーヌです。主人公バルダミュは第一次大戦の負傷兵。戦いをやめた後は、ただひたすら世の中を罵倒して歩きます。日本語版の文庫本の上・下巻を合わせて約800ページにわたり、ひたすら熱心に休憩もなく罵ります。ここまで徹底されると、その体力や生命力の強さに、かえって生きる気力が湧いてきます。
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中原昌也作業日誌 2004→2007
中原 昌也(著)
他の小説家たちから天才と呼ばれる中原昌也の、歯に衣着せぬ、あまりに正直な日記です。本書には「セリーヌの後継者」と呼びたくなるほどの、悪口雑言が散りばめられています。けれども極端なだけに、好きな音楽や映画や人間をほめる際の口調からは、敬意や愛がまっすぐに伝わってきます。愛と憎悪は表裏一体、そんなことが実感できる一冊です。
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