ブックキュレーターhonto編集員
もし大切な人を失ったら・・・事実と向き合い、悲しみを受け入れるための小説
人を亡くすという経験は誰しも避けられないものですが、身近な人の死は特に苦しいもの。あまりの悲しみに立ち上がれなくなってしまう人も多いのではないでしょうか。年齢を重ねるほどに孤独や喪失感も大きくなります。そんな心にそっと手を差し伸べるような、「死」を扱った本を集めました。人それぞれ、悲しみを受け入れる方法はさまざまです。
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7歳で父親を亡くした主人公・千秋が当時を回想する物語。父の死後、母と引っ越したアパートで出会った老婆は、父親への手紙を持ってくれば届けてあげるといいます。手紙を書いて気持ちを具現化する作業や、老婆との交流を通して、死というはじめての体験を消化できない少女の苦しみが徐々にときほぐされる様子に、胸を打たれます。
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悲しい本
マイケル・ローゼン(作) , クェンティン・ブレイク(絵) , 谷川 俊太郎(訳)
息子を亡くした父親を描いた絵本です。不気味で不自然な笑顔を浮かべ、暗い眼をしている絶望した父親。悲しみや怒りが入り混じったような絵は、不安定な線で描かれています。本書のようなストーリーも画風も、どこまでも悲しい本は珍しいでしょう。でも、まずはそこからでよいのです。悲しみにとことん向き合うことの大切さに気づきます。
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恋人の巧を失くした奈緒子と、巧の友人で奈緒子の今の恋人である加地君の物語。時間が経っても故人の美しい記憶や尊在感が増している様子が痛々しく刺さります。2人の心情だけでなく、登場人物それぞれのストーリーが自然にからみ合い、変化をもたらす展開によって、人間の弱さと動き出す力を表現しているところが見事です。
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