ブックキュレーターhonto編集員
はじめてでも楽しめる、人物描写に引き込まれるSF小説
SF小説を読んだことはありますか?馴染みのない舞台設定や専門用語に、苦手意識を感じている人も少なくないでしょう。そこでSF小説がはじめてでも馴染みやすい、人物描写に重きをおいた小説を紹介します。自分の境遇にあらがって奔走する主人公の姿に熱いものを感じながら、いつのまにか設定にも、のめり込んでいるはずです。
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安部公房のなかでも、SF色が強く異色の作品として位置づけられている本書。コンピューターによる未来予知という題材は、徹底されたリアリティーとそれに基づくファンタジーの要素によって、まったく古臭さを感じさせません。一技術者である主人公が大きな渦にのまれていく感覚は、焦燥感や恐怖といった形で読者に伝わるでしょう。
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古典的なSFの名作。SFというジャンルのヒューマニスティックな面に焦点を当てた本書は、鋭くもやさしく読者の心を包み込みます。知的障害を持つ青年がいきなり「天才」になるとどうなるか?人の悪意を知り、純真さを侵されていく青年の姿に、読者は大人になる過程で見失ったものに気づかされるかもしれません。
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たったひとつの冴えたやりかた
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア(著) , 浅倉 久志(訳)
ティプトリーの代表作。ハツラツとした宇宙オタクの女の子コーティは、旅の途中に寄生生物であるシロベーンと出会い、2人は意気投合します。コーティのもつ希望に満ちたみずみずしさや、シロベーンとの深まる友情に、読者は好感が持てるはず。種族的に相容れない運命に対してコーティがとった行動は、涙を誘います。
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