時代小説の金字塔。司馬遼太郎をはじめて読む人にオススメの看板作品

歌人である正岡子規、その兄弟で軍人の秋山好古・真之を中心に、明治維新から日露戦争後までを描いた、全8冊の時代小説です。大河ドラマ化されたことでも有名な本書。激動の時代において、己の信念をまっとうする男たちの生きざまは、実に見事であり、平成に生きる者としても見習うべき点が多くあります。

歴史創作において何かと有名な坂本龍馬、そんな偉人の半生を濃密に描いた小説です。意外と引っ込み思案な幼少期のエピソードには青春小説の味わいがあり、後半では、国を動かす男がどういう道を歩んだかをうかがうことができます。平凡な日常を打破したい方など、変革を成し遂げる男に思いを重ねてみてはいかがでしょうか。

時代は幕末、混乱する江戸の世を剣術の腕で切り抜ける新選組。本書では、副長の土方歳三の生涯を描いています。ただ華々しいだけの闘争の歴史を描いたものは数多くあります。しかし、百姓・浪人を集めた烏合の衆でしかなかった集団を、天下無敵の組織へと発展させていくこの物語には、異色にして唯一無二の妙味があります。

戦国時代を取り上げている時代小説の多くは、合戦を中心に描かれています。そのなかで珍しい本書は、美濃の油売りから国主にまで登り詰めた斎藤道三を中心に、戦時も平時も含めた生涯が描かれた伝記的小説です。乱世に野望を抱える男の魅力を極限まで描いた、司馬遼太郎のなかでも屈指の力作。重厚な味わいがあります。

維新の嵐が吹き荒れる動乱期。周防の村医者から討幕軍の総司令官にまで登り詰めた、大村益次郎の生涯を描いた小説です。歴史上、日本がもっとも揺れ動いた時期、時代の転換期には、教科書では目立たない偉人が多くいました。最前に立つには華がない、けれど惹かれてしまう不思議な魅力をご堪能ください。