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映画界の鬼才、園子温監督作品に影響を与えた本
『愛のむきだし』や『冷たい熱帯魚』など、数々の衝撃作品を世に出し続ける映画監督・園子温。映画制作の文法を叩き壊すような作風が魅力で、類を見ない表現には熱狂的な支持があります。意外にも詩人の顔もあわせ持っているという彼の作品に、影響を与えたといわれている本を紹介します。
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固定概念を覆す、という意味では園子温に通じるものがあります。実際、園子温は13歳のときに本書を読み、著者に衝撃を受けたといいます。「不良少年入門」「自殺学入門」など幾つかの章があり、常に物事の裏筋をなぞるような、独特の視点によってとらえられた物事の本質は、インスピレーションを存分に刺激してくれます。
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ドイツ現代戯曲選 2 ブレーメンの自由
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー(著) , 渋谷 哲也(訳)
信念の旗の下に行われる殺人は、ときとして喜劇のような味わい、カタルシスをもたらします。本書は、従順の仮面を被った女性がシリアルキラーであり、目的を果たすために次々と殺人を犯すサイコホラーです。しかし、その根底には女性への抑圧に対する反発があります。演舞のような殺人劇の根底は、ここにあるかもしれません。
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泥棒日記 改版
ジャン・ジュネ(著) , 朝吹 三吉(訳)
本書の作者 ジャン・ジュネは異色の作家です。窃盗、猥褻、麻薬密売など、数々の犯罪を繰り返して投獄され、終身禁固刑を求刑されていました。しかし、獄中で書いた本書が認められて恩赦に至ったのです。犯罪者の視点で描かれた耽美的な犯罪哲学は多くの作家に衝撃を与え、園子温もまた、その衝撃に打たれた1人です。
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日本映画界の巨匠・大島渚によるエッセイです。1980年代に活躍した大島渚は、映画の新たな形を模索して常に挑戦を続けました。そんな彼の激情を閉じ込めた本書は、園子温に大きな影響を与え、常に挑戦し続けるメンタリティを伝えたのです。常識を破るための考察が、膨大な熱量によって書かれた労作です。
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