ブックキュレーターhonto編集員
魔術的、幻想的な魅力のとりこになる。書物が主題のミステリー
書物が主題となっているミステリーは、どこかしら魔術的、幻想的な魅力があります。中世の西欧でキリスト教の強い影響下、聖書と齟齬をきたす書物が隠蔽、秘匿され、今日ふつうに読まれている書物も「魔術書」とされていた歴史が関係しているのかもしれません。そんな書物をテーマにしたミステリーのなかでも、魔術的、幻想的な雰囲気にひたれる本を選びました。
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死の蔵書
ジョン・ダニング(著) , 宮脇 孝雄(訳)
稀覯書(きこうしょ)マニアの刑事が主人公。彼は、腕利きのせどり屋(古本の発掘人)が殺害された事件を捜査することに。捜査の過程で、貧乏だったはずの被害者の蔵書が莫大な価値を持っていることに気づきます。本の魔力にとりつかれた人々が引き起こす殺人事件を描いたミステリー小説。マニアックな稀覯書の世界が魅力的です。
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私家版
ジャン=ジャック・フィシュテル(著) , 榊原 晃三(訳)
主人公は有能な編集者。30年来の友人である小説家・ニコラの新作を読み、成功を確信します。しかし小説から、かって主人公の恋人が自殺した原因に気づき、復讐を企図します。精巧かつ悪魔的な主人公のたくらみが魅力的なミステリー小説です。
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薔薇の名前 上
ウンベルト・エーコ(著) , 河島 英昭(訳)
舞台は中世北イタリアの修道院。ここで、ヨハネの黙示録に見立てられた連続殺人事件が発生。修道士である探偵役の主人公は事件の陰に一冊の書物の存在をつきとめます。キリスト教、異端、暗号、アリストテレス、博物誌、さまざまな書物と薄暗い中世修道院の情景が幻想的な雰囲気を醸しだしています。
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ナインスゲート
ペレス・レベルテ(著) , 大熊 栄(訳)
スペインの稀覯書専門家が主人公。彼は中世に出版された奇書『九つの扉』の真贋鑑定を依頼されます。その依頼を受けてから、主人公は何者かに襲われ、周囲では次々と殺人が起こります。調査を進める主人公と、それを妨害する闇の組織。悪魔を呼び出す呪文が描かれた奇書をテーマにしたオカルティックなミステリー小説です。
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