本質を知り、新たな魅力も発見する。日本の「祭」を深く知る本

本書は、民俗学者・柳田国男による講義録を書き起こしたものです。古来、伝承されてきた神事である「祭」の歴史を、準備としての物忌み、祭りのときに行う精進、参拝の仕方、酒や供物の役割などに分類して平易に解説しています。自分たちの国の伝統を少しでも理解してほしいと願う柳田の気持ちが現れた、わかりやすい良書です。

本書は、京都と大阪を中心に日本各地でフィールドワークした成果から、祭の本質と新たな魅力を描き出した本です。多彩に展開される現代日本の「祭」を、まず神事と神賑行事に分類し、カミとヒトが織りなす基本構造から図解します。図版や写真、貴重史料を多数収載し、わかりやすく魅力にあふれた一冊です。

京都の祇園祭、徳島の阿波踊り、青森のねぶたという100万人規模の祭りから、隠れ里で伝統芸能を披露している小さな祭りまで。魅力はさまざまで奥深い「日本の祭」を、歴史的な視点というよりも、楽しみ、プロデュースする視点で描いた本です。本書にある「祭カレンダー」やマップ、ガイドは日本の祭を網羅するには必見です。

日本の祭のなかでも、特に「奇祭」ばかりを取りあげた本。章立てを見ると「奇妙かつ不可解な祭り」「笑いの祭り」「性の祭り」「怖い祭り」と気になるものばかり。まるで一緒に旅をして祭を目のあたりにするかのように、生き生きと日本の奇祭を紹介する奇祭評論家・杉岡幸徳の世界に、思わず惹きこまれる一冊です。

日本のみならず、世界の祭りや民俗芸能の取材を続ける写真家・芳賀日出男による、200点超の貴重な「写真」と伝承の数々を記録した一冊。神事である御幣の祭り、大黒舞などの初春の芸、獅子舞、田植えの祭り、能や風流など、時代の変化によって失われゆく情景を納めています。視覚的に祭りや民俗を体感できる貴重な本です。