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人の命は誰のものか?生命倫理について考える入門編として読みたい本
現代の医療や生命科学の技術は、飛躍的に進歩しています。助からなかった命が助かるように、子どもを望む人たちに赤ちゃんが授かる、それは素晴らしいことです。しかしニュースになっているように、その裏では臓器売買や代理母出産などが起こっています。医療はどこまで人の命に介入していいのか?そんな生命倫理の問題を考える入門書を紹介します。
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「脳死とはどのような状態か?」ということについて具体的な議論が盛んに行われていた、日本で臓器移植法が改定された2009年に出版された本です。生命倫理の研究者がまとめた内容は、生命倫理学の始まりから尊厳死、臓器移植、代理出産など想像しやすい事例ばかり。読みやすい文体は、「生命倫理」の入門書として最適な一冊です。
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レッドマーケット 人体部品産業の真実
スコット・カーニー(著) , 二宮 千寿子(訳)
臓器移植で助かる命はたくさんあります。しかし日本では基準が厳しく、移植件数は他国に比べて多くありません。命の期限が迫られた一部の人は、他国で手術を受けるケースもあります。そんなときに生命倫理を考える上で知っておきたい事実を、気鋭のアメリカ人ジャーナリストがインドを中心に取材して、解き明かしています。
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私の中のあなた 上
ジョディ・ピコー(著) , 川副 智子(訳)
白血病を発病した娘のドナーが見つからないため、両親がとった方法は「妹(アナ)」を遺伝子操作によって出産することでした。そしてドナーとして幼少期を過ごしたアナは、13歳になったときにドナー拒否の訴訟を両親に対して起こします。裁判の行方とその後の彼らの人生は、家族を救うために別の家族を犠牲にすることの是非について考えさせられます。
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マンガで学ぶ生命倫理 わたしたちに課せられた「いのち」の宿題
児玉 聡(著) , なつたか(マンガ)
インフォームドコンセント(十分な説明を受けた上での同意)や出生前診断など、実際に起こりうる生命倫理に関係する事例をマンガと文章で紹介している本です。「中絶と胎児の権利」「終末期医療と安楽死」「脳死と臓器移植」など、生命倫理についての概要が理解できるようになります。中高生はもちろん、大人にもオススメの一冊です。
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