ブックキュレーター週刊読書人 角南範子
猫派でも犬派でもないけれど・・・猫の物語
猫を飼ったことはないけれど、真夜中に目に見えない何かと追いかけっこをしている友人宅の猫や、いつもそっけないのに帰る日の朝には体をすり付けてくる祖父宅の猫や、旅の街角で出あう猫、句会でしきりに読まれる猫句など、縁は少なからずあります。そして本棚にも猫の物語はたくさんありまして。猫は異世界の濃度を深めてくれる気がします。
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E・A・ポー モルグ街の殺人|メルツェルさんのチェス人形(翻案)|アッシャー家の崩壊|黒猫|アーサー・ゴードン・ピムの冒険ほか
エドガー・アラン・ポー(著) , 鴻巣友季子(編) , 桜庭一樹(編) , 池末陽子(訳) , 丸谷才一(訳) , 日夏耿之介(訳) , 巽孝之(訳) , 中里友香(訳)
新訳、旧訳、翻案とりまぜた、ポーを満喫の20編。「黒猫」は中でも有名だが、「猫とつきあううちに」と、人生の荒みと自分の残酷な所業を、猫のせいにしているところに人間の身勝手さを感じ、一方で猫、殊に黒猫は、人間が持つ弱さや暗い心に寄り添ってくれる動物なのかもしれない、などとも思うのだった。
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猫語の教科書
ポール・ギャリコ(著) , 灰島 かり(訳)
世界広しと言えども、唯一の猫が描いた原稿。大胆さとか弱さと直感的な機転、何より自分を愛らしく見せる技の数々!まったく、おぬしもなかなか悪じゃのう。「声を出さないニャーオ」とか「じゃまする楽しみ」とか、猫を飼ってみたい気持ちと飼ったら大変だ、という気持がないまぜに、本を読んで妄想の猫と遊ぶのです。
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村山籌子作品集 1 リボンときつねとゴムまりと月
村山 籌子(作) , 村山 知義(絵) , 村山籌子作品集編集委員会(編集)
村山籌子さんのユニークでリズムのよい物語と、村山知義さんの描くおしゃれに擬人化された物や動物。常識が取っ払われた世界に、深い安らぎを感じられる。中の一編「おはなを かじられた おねこさん」は、きむずかしやのおねこさんが、ねずみのあかちゃんにおはなをかじられる話。「おねこさん」っていい響きですよね。
ブックキュレーター
週刊読書人 角南範子書評紙「週刊読書人」(http://www.dokushojin.co.jp/)編集部に勤務。本と活字に囲まれています(文字通り。机を片付けろと言われます)。(本質はインドア派ですが)趣味は旅、俳句、スケッチ、あとビール。(本質がインドア派なので)旅の長時間の飛行機移動で、本を読んだりビールを飲んだり、が至福です。本にまつわるしあわせな記憶は、幼少期に親戚から段ボール4つ分の本が送られて来たこと。好んで読むジャンルは、小説・ノンフィクション。通勤時間が長いので(&ずぼらなので)、鞄の中に気づくと片手でおさまらないほどの本が入っています。でも、本を読まずにボッーとする時間も好きだったりもします。
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