ブックキュレーター触覚研究者 仲谷正史
“触れる”ことの古くて新しい世界
五感の中で、普段から何気なく使っている触覚は、驚きに満ちています。触れる感性を磨くことで、毎日の生活が違って見えたりしないでしょうか。小説やエッセイを含むどんなジャンルの本を読んでいても、「触れる」「感触」「肌触り」といった言葉に目も心も奪われています。ここでは、「触れる」を取り扱った本をご紹介します。
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2015年に逝去したサックス博士の代表作。第一部『からだのないクリスチーナ』では、身体の感覚が失われてしまった時に、「その場所に私がいる」という居心地までもがなくなってしまうことが述べられています。博士の口調は淡々としていますが、どこか人に対する温もりを僕は感じます。
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ファンタジア
ブルーノ・ムナーリ(著) , 萱野 有美(訳)
10歳のときに懐中時計をつけてもらって「何時におとなになったらいいのか よくわからなかった」というムナーリ。彼が次々と繰り出した遊びココロに富んだデザインには、普段の生活の中で触感を楽しむのためのアイディアが見え隠れします。
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指を置く
佐藤 雅彦(著) , 齋藤 達也(著)
一見してみると、にわかには解釈のしがたい絵。その絵のある場所に指を置いて自分の身体が絵に関わると、突然、絵の意味が浮き上がってくる。視覚デザインにおける身体の重要性を、図を通して直感的に理解できる快著。
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ブックキュレーター
触覚研究者 仲谷正史1979年島根県生まれ。現在、北海道大学電子科学研究所・学術研究員。東京大学在学中から人間の触感に関する研究を続け、新しい触覚の錯覚の発見を通して触感の不思議を解明する研究に従事。研究活動の傍ら、2007年より触れることを起点とする価値づくりやその社会普及に携わる。共著に『触楽入門』、『触感をつくる――《テクタイル》という考え方』。平日は研究に関する読書が多いが、突発的に小説が読みたくなった休日には、カフェ併設の本屋に出かけ、どこかしら触覚を感じるテキストを書く、三浦しをん、西加奈子、堀江敏幸さんの小説を好んで読む。
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