誰もが避けては通れない！家族との関係に悩んだときに読みたい本

夫婦、親子、兄弟、姉妹、親戚。家族という単位に押し込まれたなかで繰り広げられる人間関係を、ダイナミックに読み解いた名著です。日本社会の基盤とされてきた家族がどのような機能をはたし、同時にどのような問題をはらんでいったのかを、俯瞰して考えることができるようになる一冊です。

本書が家族問題を解決する鍵として焦点を当てたのは「お金」。持たざる者と持てる者が家族という狭い単位に発生し、支配構造を作っているというのです。世代間格差が生まれている現代、親世代と子世代の経済状況の違いから、どんな問題が引き起こされるのかを豊富な実例ととも紹介。関係回復のためのアプローチ方法の提案も掲載されています。

アナウンサーとして自立し、人生を謳歌してきたかに見える著者が、両親や兄との関係に苦しんできた事実を赤裸々に綴っています。「家族はお互いに理解し合い、支え合う素晴らしいもの」という社会通念に、苦しめられてきた人にこそ読んでほしい本です。

母と娘は同性なだけに、その関係はこじれやすいといわれています。本書は母親からの過干渉に悩まされた著者が自分の人生を取り戻すまでを描いたコミックエッセイ。社会的にも肉体的にも未熟な子どもを庇護すべき立場の親は、裏を返せば簡単に子どもを支配してコントロールできるのです。著者の苦闘に、多くの女性読者から反響が寄せられた一冊です。

子どもの頃に得られるはずだった、特定の人（親）との信頼関係を十分に築けなかったことで起こるのが「愛着障害」です。成長後に周囲の人とうまく関係を結べない、といったことの原因につながるといわれています。これから家族を築く人、生きづらさに悩む人の助けとなってくれる良書です。