ブックキュレーター主婦の友社 石井美奈子
いま戦争を考える5冊
太平洋戦争から70年以上がたち、戦争経験をお持ちの方にお話を伺える機会はどんどん減ってきている。日本の憲法9条もゆらぎ、世界を見渡せば、戦争もテロもごくごく身近な問題になってしまったいま、市井に生きる普通の方々にとっての戦争がどんなものだったのか、国の側にいた人たちが戦後に何を考えたのか、その両方を知るための書を紹介。
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戦争中の暮しの記録 保存版
暮しの手帖編集部(編)
NHK朝ドラ『とと姉ちゃん』最終週で唐沢寿明演じる花山編集長最後の仕事として描かれた読者投稿による戦争記録。初めて読んだのは大学生のときだったが、いま改めて読み返してみると、多くの本が伝えられていない、実は知られることの少ない戦時中の毎日の暮らしをうかがい知ることができる。ずっと読み継がれていくべき書。
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一銭五厘の旗 改版
花森 安治(著)
一銭五厘というのは戦争当時の郵便料金で、召集令状も一銭五厘であったことから、人の命がその金額と等価だというたとえとしても使われたそうだ。この本の著者は花森安治。大政翼賛会の外郭団体で戦時中に国民にメッセージを発していたことはテレビドラマでも描かれたが、彼が戦後に何を考えてきたのかを知るための最良の書だと思う。
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著者は反戦ジャーナリストの「むの・たけじ」。101歳で亡くなる最後まで、社会の矛盾を鋭く追求し続けた。戦争中に朝日新聞の記者として報道を続けたことに責任を感じ、敗戦後に社をやめ、「たいまつ」という週刊新聞を通して戦争や社会の問題を浮き彫りにしてきた。平易な言葉で戦争や戦後、そしていまの安倍政権までを斬る。
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いわたくんちのおばあちゃん
天野 夏美(作) , はまの ゆか(絵)
天野夏美作、『13歳のハローワーク』などで有名なイラストレーターはまのゆかが絵を書いた戦争の絵本。教科書にも採用されている。いわたくんちのおばあちゃんは写真を取られることが嫌い。それは広島に原爆が投下されたことと深い関係があった。家族や友達を失うことの悲しみが子どもを通して淡々と描かれている。
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長崎での被爆者として国連でもスピーチし、世界中で悲惨な状況を語り継いでいる谷口稜曄(すみてる)さんの被爆後の現実をイラストとお話で語る大人向けの絵本。正視するのが辛い写真もあるが、被爆後の人生をどう生きたのか、原爆が二度も透過された日本人だからこそ必ず知っておかなければいけない歴史の真実。
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ブックキュレーター
主婦の友社 石井美奈子主婦の友社(http://www.shufunotomo.co.jp/)で編集の仕事をしています。根っからの本好き、そして、本屋さんが好きで、この業界に飛び込みました。好きな旅・食についてや、女性の視点での健康や老後について本を広く紹介していきます。
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