読んだら頭から離れない・・・幽霊の怖さが身に染みるホラーコミック

昭和のレトロな雰囲気がするホラーコミック。下宿で本を読むばかり、家賃も支払えないダメ男の天野は、ある日「お迎えだ」という見知らぬ謎の男によって、幽麗塔へと連れていかれます。幽霊とも化物ともわからない者たちにより命の危機を味わいながら、生き抜く天野からハラハラして目が離せない物語です。

人間のように見えて、まるで幽霊かのような動きを見せる「ざしきおんな」。アパートに住むヒロシは、ある日隣の山本君を訪ねてきた、ざしきおんなに出会ってしまいます。人間を超越した身体能力、死に直面してもなぜか死なない様子を見せるざしきおんな・・・。追い詰めらるヒロシに肝を冷やします。

心霊現象大好き男の元二。とある事故物件で一人暮らしを開始するのですが、そこには元二の望みどおりに恐ろしい女の幽霊が存在していました。そこで一緒に暮らしはじめる物語。幽霊がいつも怨念のこもったような形相で元二の前に現れることはもちろんですが、元二の幽霊に対する愛情も、ある意味で怖さを感じます。

学校で起こる、拒絶することのできない呪いを描いたホラー。高校のクラスメイトの遥が「私の体を探して」という言葉を発したことから「カラダ探し」という恐怖の殺戮ゲームがはじまります。巻き込まれてしまったのは強制的に参加させられた、同級生の男女6人。終わりの見えない幽霊と死の恐怖に、読者も離れられなくなります。

伊藤潤二の短編ホラー作品集。「ゴールデンタイムの幽霊」では、世間を席巻するお笑い芸人が恐ろしい霊の力を利用して、笑いと死の恐怖へと陥れます。「轟音」は、森林のなかに現れる、過去の凄惨な事件の幻影に囚われた人の、悲しい物語。幽霊の怖さを味わえるとともに、こんな幽霊もあるのか！と驚かされます。