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子どもの頃の感性がよみがえってくる!?バラエティ豊かな自伝的な物語
子どもの頃にどんなことを感じていたのか、大人になると忘れてしまいがちです。しかし、優れた創作者のなかには大人になっても当時の感性を失わず、当時の感じ方をリアルな感覚として持ち続けている人がいます。それが顕著に表れるのが自伝的な作品です。そこには当時の気持ちに大人の目線が加味され、より深みのある物語になっているのです。
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『戦争と平和』や『アンナ・カレーニナ』などで知られる、ロシアの文豪トルストイの処女作です。著者の幼年時代をモチーフとした小説で、子どもとしての目線と執筆当時の大人としての目線が矛盾することなく、作中に共存しています。主人公の感情の動きや周囲に対する観察眼、さらにその描写力にも非凡さを感じる好著です。
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わたしが子どもだったころ 改版
ケストナー(作) , 高橋 健二(訳)
『ふたりのロッテ』などの児童文学で知られるケストナーが、自身の子ども時代を生き生きと綴った自叙伝です。子どもの頃の自身の目を通して語られるさまざまな出来事には、当時の感動がそのまま息づいています。また、両親のなれそめや社会環境にも触れられており、当時がどのような時代であったのかも伝えてくれる一冊です。
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幼年時代 改版
カロッサ(作) , 斎藤 栄治(訳)
ドイツの詩人、作家のカロッサによる自伝的な小説です。カロッサにはこの種の作品が多いのですが、本書はそういった作品群の最初期に書かれたもので、彼の出世作でもあります。印象的なエピソードを中心とした回想録的な傾向が強く、当時からあった著者の詩的な性向や、子どもならではの至らなさが印象的に描かれています。
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次郎物語 第1部
下村 湖人(著)
戦前の日本を舞台に、周囲になじめずにいる少年時代の主人公の複雑な心境が繊細に描かれた小説です。主人公の生い立ちは著者の実人生に酷似しており、子どもなりのつらさや大変さが読者の胸にリアルに伝わってきます。当時の風俗や人間関係などもしっかりと描かれていて、当時の日本文化に触れてみたい方にもオススメです。
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TVアニメ化され大人気となった、小学生の日常を描いたコミックです。シリーズが続くにつれて創作されたエピソードが増えていき独自の世界が形成されていくのですが、1巻では作者の実体験に基づいた自伝的な色彩が濃くなっています。主人公のユニークな性格や、彼女を取り巻く人々のくすりと笑える日常が楽しめる一冊です。
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