ブックキュレーターhonto編集員
ハッピーエンドでは終わらせない?武者小路実篤の恋愛小説
武者小路実篤をご存知でしょうか?明治から昭和にかけて活躍した小説家で、自由や理想を謳った白樺派の一人です。と、いうと小難しい感じがしてしまいますが、恋愛小説もたくさん書いています。実篤の恋愛小説は自身の失恋経験を題材にしているといわれます。そのせいかリアルで切ないものばかり。なかでも心がきゅっとしめつけられるような恋愛小説を紹介します。
- 18
- お気に入り
- 8256
- 閲覧数





-
愛と死 改版
武者小路 実篤(著)
小説家の松岡は親友の妹、夏子に出会います。宙返りが得意で快活な夏子に松岡は惹かれていきました。そして、松岡の海外遊学が終われば結婚する約束をします。遊学の間も2人は文通で愛を育みます。しかし、日本を目前にした船中で受け取った電報は夏子の兄からのものでした。幸せの絶頂から一気に叩き落される小説です。
-
友情 改版
武者小路 実篤(作)
友人の妹、杉子に恋をした野島は親友の大宮に励まされながら何度もアタックしますが、まったく相手にされません。ある日、海外に旅立った大宮から小説を書いたという葉書が届きます。そこには大宮と杉子の文通の全文が書かれていました。予感していた親友の裏切りに対し、『仕事で決闘しよう』と返す野島に男の意地を感じます。
-
お目出たき人
武者小路 実篤(著)
主人公には恋い焦がれている鶴という女性がいます。彼女に何度もフラれますが、それでも彼は鶴が自分のことを好きだと思い込んでいました。ある日、彼の元に鶴が結婚したという知らせが届きますが、無理やり結婚させられたと妄想し続けます。当然すぎる結末ですが、なぜか他人事とは思えない話です。
-
友情・初恋
武者小路 実篤(著)
「初恋」は、武者小路実篤が青春時代の失恋を語った小説です。当時、実篤は近くに住んでいた貞という少女に恋をしていました。好きな女の子のちょっとした言動に一喜一憂する幼い日の実篤の姿が、赤裸々に描かれています。読んだ人に、記憶のすみでほこりをかぶっている、甘酸っぱい気持ちを思い出させます。
-
お目出たき人,世間知らず
武者小路 実篤(著)
この本には、「お目出たき人」と「世間知らず」が収録されています。「世間知らず」は主人公のところに見ず知らずの女性C子から突然手紙が届く場面からはじまります。C子は積極的ですが、「私より好きな女性がいるなら殺してやる」と手紙に書くような怖い女性でもあります。著者の小説では珍しく女性に迫られているのに、あまり嬉しくないお話です。
ブックキュレーター
honto編集員ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です