ブックキュレーター漫画家 倉田真由美
グロテスク愛!5冊
グロ、大好きなんですが、不思議なもので同じグロでもどうしても受け入れにくいもの、逆に何度も読みたくなるものがあります。何が違うのかうまく説明できないんですが、「気持ち悪すぎるグロ」「胸糞悪すぎるグロ」はどうも苦手みたいです。「グロってみんなキモくて胸糞悪いだろ!」と言われそうですが、そうでもないんですよね。読みやすい、見やすいグロってあります。映画でいうと、『ゾンビ』『バタリアン』なんかは観やすいグロですね。私の中で究極のグログロは楳図かずお先生の『まことちゃん』。『おろち』なんかは好きなんですが、『まことちゃん』は読めないなあ。いろんな意味でグロ度が高すぎるのかもしれません。まずは活字のお薦め作品を5冊!
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「人間の探求心ってすごいな」と心から感心することしきり。すごいマッドサイエンティストたちが出てきます。淋病のメカニズム解明のため、患者の膿を自分の性器になすりつける実験をしたり。黄熱病患者の「黒いゲロ」を自分の血管に注射したり。偉人って、彼らみたいな人たちのことを言うんだと思います。いわゆるグロ表現があるというより、図らずもグロなことをしたりされたりという実話集です。
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大好きな平山夢明作品の中でも、特に好きな小説です。平山先生の描く世界にグロは必須ですが、明るいグロなんですよね。いっそ爽やかさすらあるというか。哀しい運命を背負った兄弟の話ですが、読後感がいいので何度も読み返しています。
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島田荘司先生の御手洗潔ものです。『占星術殺人事件』と迷ったのですが、占星術はあまりにメジャーなので敢えてこちらをご紹介します。ともかくおどろおどろしいんですよね。占星術のような目の覚めるトリックはないですが、圧倒的な存在感の「人喰いの木」は、映画『スリーピー・ホロウ』に出てくるあれよりずっと怖いです。
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横溝正史作品、犬神家も本陣も八つ墓村もいいですが、私は小説としてはこれが一番好きなんですよね。三人の妹たちが殺される、という遺言を残された金田一。そして本当に妹たちが奇妙な殺され方をしていく・・・死に方がもう、絵的に映画的です。グロいけど美しい。そして怖い。日本人にはやっぱりジェイソンよりフレディよりこっちのほうがきますよね。
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グレイヴディッガー
高野 和明(著)
江戸川乱歩賞受賞作家の中でも好きな作家さんの一人、高野和明著。グロいというほどではないですが、猟奇殺人ものです。すごく売れた『ジェノサイド』よりこちらのほうが私は好み。疾走感があって一気に読めます。小悪党な主人公のキャラクターもいいし。グレイブディッガーとは墓堀人という意味らしいです。
ブックキュレーター
漫画家 倉田真由美大学卒業後、「ヤングマガジンギャグ大賞」に応募し大賞受賞。2000年ダメ男を好きになる女たちを描いた『だめんず・うぉ~か~』連載開始。その後も『もんぺ町ヨメトメうぉ~ず』、アイドル漫画『終末アイドルフルフル9』『トーキョーはらへり散歩』『くらたまの恋愛やり直し!!塾』など、多数の漫画や書籍を執筆。現在は執筆活動のほかにテレビ・ラジオ出演、トークショーと多方面で活躍中。趣味は読書で好きなジャンルはミステリー、ホラー、好きな作家は貴志祐介、前川裕、小野不由美。
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