ブックキュレーターhonto編集員
日本社会はこのままでいいのか?と思ったときに、考えるヒントになる本
格差の拡大、子どもの貧困、ネットの炎上など、今の日本社会は多様な問題に直面しています。かつては経済成長によってカバーされてきた問題が、低成長が続くなかで顕在化しているのかもしれません。そんな諸問題について、思想や社会学、精神医学に経済学など、各界を代表する論客が語っている本を紹介します。今後の日本社会を考えるヒントになるはずです。
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日本劣化論
笠井 潔(著) , 白井 聡(著)
いわゆる「反知性主義」は大衆だけでなく政界も蝕んでいるのか・・・と考えるヒントとして最適な一冊です。団塊世代の作家・評論家である笠井潔と1977年生まれの政治学者・白井聡。この2人の論客が保守と革新についてや、アメリカやアジアとの関係性などに言及しながら、「日本劣化」について語り合った少し過激な対談本です。
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精神科医でサブカルチャーに精通した評論家でもある斎藤環が、日本の大衆文化に流れる「ヤンキー性」を分析した本です。EXILEや橋下徹がヤンキーの流れを汲んでいるのは想像しやすいですが、金八先生や白洲次郎はどこが・・・と思っていた方も読めば納得するはずです。文化人類学的なアプローチで現代の日本社会を論じています。
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生まれたときから経済は低成長、これからも所得が増える見込みは低い。だけど21世紀の日本社会では、多くの若者が「幸福である」と思っているのです。初版は2011年で、26歳の著者による若者論として話題を呼びました。2015年発行の「講談社+α文庫」版では、アラサーを迎えた著者による「注釈」という名のセルフつっこみが収録されています。
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スペインの思想家オルテガが、第一次大戦後のヨーロッパについて記した大衆社会論です。1930年に刊行された本ですが、第二次世界大戦後のアメリカ的大衆社会を予見していたかのような内容になっています。著者が指摘する「大衆社会」を現代の日本に当てはめて読んでも、まったく違和感がありません。大衆とは誰なのか?と考えさせられる一冊です。
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2014年に刊行され、経済書としては異例の売れ行きを記録した本です。本書では「資本主義は賞味期限切れである」と語られています。「社会主義的資本主義」の優等生として発展を続けてきた日本社会が転機を迎えている現在、そこで起こっている諸問題について経済学の視点で読み解いた一冊です。
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