ブックキュレーターhonto編集員
アイルランド人の息吹が感じられ、風土や国民性を味わえる本
アイルランドという国には、どんなイメージがあるでしょうか。長いイギリスとの闘い、独立後の内戦など、つらい時代のイメージが強いかもしれません。その一方、緑あふれるケルト人の土地、うまいウイスキーとビール、妖精という平和なイメージもあります。そして何よりも能弁、闊達な人々。こんなアイルランドの魅力を多方面から紹介する本を集めました。
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ダブリナーズ
ジョイス(著) , 柳瀬 尚紀(訳)
ダブリンを舞台にした15の短編が収められています。子どものけんかに「新教徒!」という悪口が出る場面には、カトリック教徒の多いアイルランドらしさを感じます。バーでウイスキーを飲みながら、海外で成功した友人の話をうらやましく聞く男が登場するなど、いずれも何気ない市民の生活が描かれていて、しんみりした読後感を味わえます。
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『ガリヴァー旅行記』の著者 スウィフトによる風刺論5編が収められています。なかでも「慎ましき提案」は圧巻。貧乏人の子だくさんが多いアイルランド人への対策案として、子どもを食料品として流通させることを提案し、さらにそのおいしい料理方法を事細かく記しています。今なら発禁本となること間違いなし!の度肝を抜かれる本です。
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アイルランド・ストーリーズ
ウィリアム・トレヴァー(著) , 栩木 伸明(訳)
どこにもいそうな、しかしまさにアイルランド的な人々の話が12編。農場をもつやもめを、さりげなくだましてお金を手にしたものの、だました相手を懐かしみ、手紙を書こうとする女の「見込み簿」。1970年代から続いたベルファストの内戦の様子がさりげなく織り込まれながら、市民たちの生活が描かれていて秀逸です。
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長くイギリスに搾取され、多くの移民を出したアイルランド。ジョン・レノンやケネディ元米大統領も元をただせばアイリッシュでした。そんな逸話からはじまり、著者の司馬遼太郎は車で彼の地を巡ります。ケルト人とは何か、ベケットなどの偉大な作家の背景、アイリッシュ・ウイスキーまで紹介する、興味深い紀行文です。
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