ブックキュレータータレント 藤岡みなみ
孤独と向き合うためのタイム・ループ小説
時間SFといえば過去へ行くものや未来へ行くものなど方向性は様々ですが、なかでも同じ時間が繰り返される「ループもの」は精神の檻に閉じ込められるような哲学的な味わいがあります。自分一人だけに同じ毎日がやってきたら?永遠に同じ10分間が繰り返され続けたら?究極の状況に想いを馳せて、その深い孤独に身震いしてみませんか。
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ターン
北村 薫(著)
自分以外誰もいなくなった世界で同じ毎日を繰り返す話。面白いのは主人公が版画作家であるということです。何をやっても全て昨日と同じ状態に戻ってのスタートになるターンの毎日では、作品を生み出すことができない。創作意欲の根源に迫る作品でもあります。
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リプレイ 改版
ケン・グリムウッド(著) , 杉山 高之(訳)
時間SFの金字塔にしてループものの妄想全部盛り。43歳で寿命を迎えるとまた18歳に戻っている主人公。すでに知っている人生をやり直せたら、やっぱり競馬や株で儲けて理想の恋人を獲得したい?全能感と虚しさに悶えます。
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ここがウィネトカなら、きみはジュディ 時間SF傑作選
大森 望(編)
時間SFの傑作短編集ですが、『12:01PM』、『しばし天の祝福より遠ざかり…』、『夕方、はやく』がループものです。1時間を繰り返す、700万年を繰り返す、など、ループものと言ってもひとくくりにできないバラエティの豊かさを実感できます。そしてどんな設定でももれなく果てしない気分になれるのです。
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東海道戦争 改版
筒井 康隆(著)
この短編集に収録されている『しゃっくり』が日本では最初のループもの小説と言われています。10分間というループものの中では極めて短いスパンの繰り返しで、孤独を通り越して狂気に一番近い所までいける作品です。
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輪廻の蛇
ロバート・A.ハインライン(著) , 矢野 徹(ほか訳)
計算された絵画のような美しい設計の物語。読んだあとは頭の中に螺旋階段が浮かび上がり、ぐるぐる思いを巡らせることやめられないはず。ループ作品が人を引き付けるのは、輪廻という概念の宗教的下敷きがあるからなのかもしれません。
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ブックキュレーター
タレント 藤岡みなみ1988年生まれ。タレント、エッセイストなどとして活動。2015年ラジオ番組表好きなDJランキングAM部門第1位。時間SFと縄文時代が好きで、2019年からタイムトラベル専門書店utoutoをはじめる。著書に『藤岡みなみの穴場ハンターが行く!in北海道』(北海道新聞社)、『シャプラニール流 人生を変える働き方』(エスプレ)がある。
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