ブックキュレーター作家 太田靖久
男の子が抱える「衝動と情熱」を描いたマンガ
男の子の「衝動と情熱」は時に規範や慣習からはずれる。社会は「既製品」であり、完全にはなじまない。ただ「オリジナル」を手にするのは困難で、社会と対峙する必要が生じる。エネルギーはかぎられている。それが「衝動と情熱」。今回は「衝動と情熱」を抱えるすべての男の子にささげる5冊を選んだ。
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わたしは真悟 Volume1
楳図 かずお(著)
十二歳の男の子と女の子の強い愛が引きおこす奇跡の物語。大人になることを拒絶する二人は知恵をしぼり、行動をおこす。男の子のまっすぐな「衝動と情熱」が世界を切り開いていく様が非常にすがすがしい。子供という特別な時間の中で何ができ、何をするのか、そして自分は何をしてきたのかと、大人になった今も考えつづけている。
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海辺の田舎町に住む中学生の男女の恋愛物語。好きな女の子への恋愛感情、性欲、役にたちたいという想いがすべて裏返るようにひどく無関心になったり攻撃性をおびたりする男の子の「衝動と情熱」が、気まぐれな波のように何度もくり返す様が生々しく描かれていて、胸がくるしくなる。
ブックキュレーター
作家 太田靖久作家。1975年生まれ。神奈川県出身。早稲田大学第二文学部演劇専修卒。2010年、第42回新潮新人賞を「ののの」で受賞しデビュー。近年の文芸誌掲載作品、「はじける」(『すばる』2015年6月号)、「かぜまち」(『文學界』2015年8月号)、「ヘイトフル」(『早稲田文学』2015年秋号)、「ろんど」(『新潮』2016年6月号)など。
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