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多重人格は空想ではない。知られざるその内奥に真摯に向き合った小説
知らぬ間に自分ではない誰かが自分として何かをする。多重人格の人はそのような体験をすることがあるといいます。それが本人に与える苦悩と恐怖ははかり知れないものです。その深遠を丁寧に綴った小説を集めました。読めば、1つの人格を確立している読者がもつアイデンティティの意味と、そのありがたさに気づかせてくれるでしょう。
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犯行の記憶がないのに連続レイプ事件の容疑者として逮捕された青年のビリー・ミリガンが主人公。時に暴力的に、時に愛らしい子どものようにもなる彼のなかには、何と24人もの人格が存在しました。さらに彼らをコントロールする統治役の人格までいるという、混沌極まる精神状態。その謎を精緻に解き明かした本です。
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わたしは多重人格だった セラピストと歩んだ人格統合への道
ジョーン・フランシス・ケイシー(著) , 竹内 和世(訳)
子どもの頃から大人になるまで、多重人格性障害に苦しめられた女性の自伝です。統合した人格は24。セラピストたちのおかげで一挙に3人の人格の統合に成功したときもあれば、ある人格の協力が得られず失敗したときもある。通常なら想像もできない精神の変節が、切々と丁寧に、そして静かな圧力をもって語られています。
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ジェニーのなかの400人 上
ジュディス・スペンサー(著) , 小林 宏明(訳)
アメリカで生まれてから、悲劇的な生活のため400もの人格に分裂したジェニー。彼女の内面を数年かけて統合する治療過程を綴った小説です。幼少期からカルト教団や売春強要の憂き目に遭ってきた彼女は、人格変化とともに性格や体質、口調までもが変わります。それでも続けられる医師たちの努力が、彼女の葛藤を克明に描き出します。
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