体だけでなく心も元気にしてくれる！毎日食べるご飯のパワーを感じられる本

仕事や恋に悩んだり、家族のことで心を痛めながらも過ぎ行く毎日。誰もがそんな日常のなかで、1人あるいは誰かとご飯を食べています。そんな風景を描いた23の物語。特別な日ではなくとも、胸にわき上がる思いや交わした会話によって、それぞれのご飯がごちそうに変わる。日常のご飯がくれるやさしさを感じさせてくれる一冊です。

男女の恋、友だちに覚える恋心、家族を恋しく思う気持ち。いろいろな恋の形はあるけれど、どんな恋をしているときでもそばにある、「食べる」ということ。ご飯は幸せな気持ちを共有したり、時には相手とのズレを感じさせます。どんなときにも体と心にやさしく寄り添いながら、揺れ動く恋心を支えるご飯のパワーを感じます。

30歳を目前にした仲のよい女性4人組。恋に悩んだときも仕事でつまづいたときも、その中心にあるのはヒントのカギを握るおいしい料理。一つの料理から得られるヒントをもとに、多くの情報を集めて問題を解決することで深まる4人の絆。自立した関係でありながら、いざというときには助け合う女同士の友情も魅力的です。

小さな町の商店街に店を構える「ここ家」。60過ぎの3人の女性が切り盛りする総菜屋です。3人はそれぞれに悲しみや切なさを抱えながらも、季節の食材を使っておいしい惣菜を作り出します。働いて、食べて、仲間と笑い合うことが3人の女性のパワーの源。季節を感じさせるメニューも楽しめる一冊です。

父娘2人が京都で営む鴨川食堂。「もう一度出会いたい味」があるお客が、この店を探してやってきます。店主が再現する思い出の味は、当時は気づかなかった愛情にあふれたものでした。その愛情が寂しさを吹き飛ばし、新しい一歩を踏み出すパワーを生み出します。店主の気遣いも細やかで、やさしさに満ちています。