ブックキュレーター作家 武内涼
知らなかった世界への案内、そして知っていた世界の転倒。それが、本だ
貪るように読み耽った本が、どんな本だか考えてみると、二種類ある気がします。一つめが、自分がほとんど知らない世界へ導いてくれた本。二つめが、自分が知っていた世界に新しい光や視点を投げかけて、ものの見方が変るような「転倒」を起してくれた本。そんな本を、ご紹介します。
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寺社勢力の中世 無縁・有縁・移民
伊藤 正敏(著)
日本史における寺社は、武家政権の敵役(かたきやく)として取り扱われることが多い。ところが実際、寺社を訪れてみると――そこは実に様々な魅惑がつまった観光地であったりする。寺社とは、何なのか?そんな疑問に新しい答を投げかけてくれる一冊です。僕はこの一冊で、日本史を見る目が大きく変りました。
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オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史 1 2つの世界大戦と原爆投下
オリバー・ストーン(著) , ピーター・カズニック(著) , 大田 直子(訳) , 鍛原 多惠子(訳) , 梶山 あゆみ(訳) , 高橋 璃子(訳) , 吉田 三知世(訳)
アメリカは長いこと、民主主義の王道をもたらす国として地球上に君臨してきました。しかしアメリカには王道ではない覇道としての側面もあるはずです。オリバー・ストーンはアメリカに住みながら、アメリカの覇道を見据えつづけた映像作家。その彼が、歴史家と共に十九世紀から今に至るアメリカ史を語る大著です。
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貴方が全く知らない世界、作者が一から創り上げた多島世界・アースシーに誘(いざな)ってくれる一冊です。この壮大なファンタジーが素晴らしいのは、架空世界の歴史、植物、動物、文学の重厚なリアリティゆえだと思います。清水真砂子さんの訳文も名文。
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暗殺者、野風
武内涼(著)
戦国の世、武田と上杉がぶつかり合う川中島の戦場を、美しき娘刺客(アサシン)が疾駆する――。読者が乱世の大地を走っている感覚になる小説を書きたい、その一念で書きました。この小説に一番影響をあたえたのは、黒澤明やツイ・ハークの映画。あの疾走感、埃っぽさ、迫力を小説にしたかった。絶対面白い「新しき川中島」をどうぞお読み下さい。
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人の世に渦巻く理不尽は――斬り開けるのか。桃山時代、謀反の罪で切腹した関白・秀次。その秀次の妻子三十九人が、京都三条河原で処刑されようとしていた。秀次と実際の夫婦関係はないのに、巻き込まれてしまった駒姫。権力が引き起したあまりにも悲しい史実を知り、この話を埋もれさせてはいけないと思い、書いた作品です。
ブックキュレーター
作家 武内涼1978年生まれ。群馬県出身。早稲田大学第一文学部卒業。2011年、第17回日本ホラー小説大賞最終候補となった『忍びの森』でデビュー(応募時タイトル「青と妖(あやかし)」)。15年「妖草師シリーズ」が、「この時代小説がすごい! 2016年版」で文庫書き下ろし部門1位を獲得。本格歴史小説、時代エンタテインメントで、様々な作品を発表し続けている。他著作に「戦都の陰陽師シリーズ」『秀吉を討て』『駒姫』など。
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