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強固な絆が生み出すディープなドラマ。豊かな喜怒哀楽が描かれた家族小説
その距離感は人それぞれだとは思いますが、「血縁」という関係には切っても切れない強固な絆があるものです。日常生活のなかではついついウザイと思ってしまいがちな家族という関係ですが、その数だけディープなドラマがあり、そこから豊かな喜怒哀楽が生まれます。ここでは、そんな家族が生み出すドラマを描いた小説をピックアップしました。
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ホテル・ニューハンプシャー 上巻
ジョン・アーヴィング(著) , 中野 圭二(訳)
ゲイの長男、勝気な長女、長女に恋する次男、小人症の次女、難聴の三男、そして浮世離れした父親と、すべてを受け入れるやさしい母親。そんな奇妙な家族の奇妙な遍歴をユーモアたっぷりに描いた、アーヴィング初期の傑作です。変人ぞろいの家族の強い絆が、衝撃的なストーリーに不思議な癒しを与えてくれます。
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かつて殺人犯の濡れ衣を着せられ、追われるように故郷を離れた主人公のアダム。親友のために5年ぶりに故郷へ戻った彼を待っていたのは、自分を信じてくれなかった家族との苦い再会と、新たな殺人事件でした。父と子の確執と、母と子の歪んだ愛憎。家族の絆が強すぎたゆえに起きてしまう悲劇が胸を打つ小説です。
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ファミリー・ツリー
カウイ・ハート・ヘミングス(著) , 堤 朝子(訳)
安定した生活を送っていると思っていた弁護士のマットは、妻のボート事故をきっかけに自分の家庭が崩壊寸前だったことに気付かされます。危篤状態の妻の衝撃的な隠し事、そして情緒不安定な娘たち。ハワイの豊かな自然を舞台に繰り広げられる、涙あり、笑いありの素朴でリアルな家族の物語が読み手の共感を誘う一冊です。
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アリスのままで
リサ・ジェノヴァ(著) , 古屋 美登里(訳)
若年性アルツハイマーを発症してしまった女性が苦悩のはてに己を見つめ直していく姿と、彼女を支える家族の温かな絆を描いた感動作です。難病と向き合う主人公と家族の健気な姿が、悲壮な物語に癒しを与えています。誰の身にも起こり得る題材を扱っているだけに、互いに労わり合う家族の姿がいっそう強く心に沁みる小説です。
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崇高な理念のもと、現行政府に武力制圧を行う組織を率いる1組の家族。その争いのなかで、高性能機動兵器「ガンダムF91」と関わりをもつことになるもう1組の家族。映像版では大幅に割愛されていた家族の群像劇に多くのページを割いている本書は、ロボットアクションだけではない深い余韻を残すSF小説になっています。
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