ブックキュレーターhonto編集員
亡き人の想いを受け継いで生まれた名作の数々がここに。完成された絶筆本
作家の突然の死によって完成されなかった物語は、不完全のまま発表されたり、読者の目に触れないまま埋もれてしまうこともあります。それでも作家の意志を受け継いだ親しい人たちの手によって、最後まで書き上げられた物語もあるのです。亡き人を悼む心から生まれた名作の数々は、きっとあなたの心の琴線に触れることでしょう。
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異端の民俗学者が挑む民俗学ミステリーのシリーズ初の長編は、邪馬台国という古代史最大の謎です。忽然と消えた村の古文書の解読から始まった物語は、著者急逝のため謎解きを直前に未完となるところ、同じ作家である著者の婚約者・浅野里沙子の手によって完成させられました。他のシリーズの主要人物も登場し、北森民俗学の集大成ともいえる力作です。
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「ドリトル先生シリーズ」最後の長編は、カナリア・ピピネラの波乱の生涯です。メスは鳴いてはいけないという因習に反発して、美しい声で歌い続けるピピネラ。公爵家や炭鉱などで生き、母となり恋をし、心を通わせる人間との出会いが描かれています。著者の死で未完とならず完成したのは、ピピネラのように一途に相手を思う妻の存在があったからです。
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ストーナー
ジョン・ウィリアムズ(著) , 東江 一紀(訳)
文学に魅せられ教師となった男の悲哀に満ちた平凡な人生が、淡々と語られた長編小説です。不器用ながらも誠実に生きる人生の意味と価値が、端正な文章で綴られています。最後の1ページを残して亡くなった翻訳家の姿が、主人公の男の姿と重なり、残った翻訳を受け継いだ弟子の「訳者あとがきに代えて」の言葉が心に沁みます。
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