ブックキュレーターhonto編集員
怪しい魅力を湛えたヴァイオリンの世界を堪能できる本
ヴァイオリンの魅力はその音色だけでなく、何百年も引き継がれてきた骨董品としての価値もあります。また、何度も所有者が替わっていることも少なくなく、それだけにヴァイオリンをめぐる謎めいたエピソードにも事欠きません。作家の想像力を刺激するのに格好の主題にもなりえます。そんな怪しい魅力を湛えたヴァイオリンの世界を堪能できる本を紹介します。
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一冊まるごとヴァイオリン その歴史と美、製作と保全
アルバート チョンピン チュワン(著) , 田中 良司(訳)
台湾のヴァイオリン製作者が、現場からヴァイオリンとその魅力について語りっています。楽器としての音色もさることながら、「モノ」としてのヴァイオリンにもさまざまな角度から焦点をあてた一冊です。歴史、製作過程、形の美しさ、構造についてなど、幅広い知識が網羅されているので、ガイトブックとして手元に置いておくと便利でしょう。
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ニューヨークのヴァイオリン職人 現代の名器をつくる
ジョン・マーケーゼイ(著) , 中島 伸子(訳)
トランペッターでもあるジャーナリストが、ブルックリン在住のヴァイオリン職人サム・ジグムントーヴィチのもとに通い、製作過程をレポートした本です。一塊の木材が、世界最高峰の職人の手と情熱によって、魔法をかけたように美しい音を響かせるヴァイオリンへと変貌していくさまが、著者の静かな興奮とともに伝わってきます。
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“本物”を見極める 3億円のヴァイオリンはいかに鑑定されるのか?
佐藤 輝彦(著)
世界最高の名器とされる「ストラディヴァリウス」は、時価数億円の価値がついています。たとえば1万円のヴァイオリンとは、何がそんなにも違うのか?ヴァイオリンの鑑定と売買に携わる著者は、1秒あればホンモノを見極められると言います。あの小さな楽器にそれほどの価値がつけられる理由が、本書を読めばわかるようになるでしょう。
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本書の主人公はイタリアの名器「グァルネリ・デル・ジェス」。しかも伝説のヴァイオリニスト・パガニーニが所有していたというヴァイオリンです。長年に渡り人から人へ受け継がれてきた名器は、何かといわくがあります。本書はこの楽器の周辺で起きた殺人事件をめぐるミステリー小説で、ヴァイオリン職人でもある探偵が事件の解決に奔走しています。
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ロスチャイルドのバイオリン
アントン・P.チェーホフ(作) , イリーナ・ザトゥロフスカヤ(絵) , 児島 宏子(訳)
ヴァイオリン一挺一挺には、その所有者をめぐるさまざまなドラマがあります。本書は一挺のヴァイオリンが次の所有者へと受け継がれてゆくまでを描いた、チェーホフによる珠玉の短編です。棺桶屋ヤーコフが、死を目前にしてヴァイオリンの継承者として選んだ相手とは・・・。40数点の挿絵に彩られた贅沢な一冊です。
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