ブックキュレーター歴史学者 武光誠
東大卒六十代男子が、大学時代からの親友と楽しんでいる本
親友同士の六十代男子が話題にする本を恥ずかしながら、紹介します。年に数回会って四十年以上になる大学時代の学友です。会うと当時の学生時代の気分に戻ってしまいます。ともに東大の古代史専攻だった影響がいくらか出ているように見えますが、アカデミックな討論とは程遠く、娯楽として楽しんでいます。
※本ブックツリーの内容は、執筆時点(2017年9月20日)の情報に基づいております。
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風の盆幻想
内田康夫(著)
浅見光彦シリーズ全般に共通するのだが、主人公が旅先で史跡を巡り事件に遭遇して推理をする様子を、史跡巡りの疑似体験をしつつ推理するのが楽しみなミステリー小説だ。後におわら風の盆のドキュメントも見たので楽しさ倍増しました。テレビドラマでは中村俊介さんと野際洋子さん配役のシリーズが一番好きです。
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地図でめぐる神社とお寺 2版
武光 誠(著)
数年に一度は仲間たちと旅行に行く。みなが気になった神社仏閣に行く事が多いが、そんなときに役に立つのが、この拙著である。自分が欲しい本を自分で作った一冊だ。全国を都道府県別の地図で、目ぼしい社寺と写真や社寺情報を掲載したので、ページを繰りながら、どこに行きたいのか探すのが楽しくて便利なのである。
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商業エンタメとしては扱いづらい「応仁の乱」をメジャーにした珍しい本である。京都や奈良の地理感がある人にも楽しめる内容で、それこそ中世日本の旅情ミステリーのように読んだ。よく研究されているし、一見、応仁の乱の選書のようでありながら、大勢いる人物が生き生きと書かれていて、時代小説の手法を彷彿させる。
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ゴルゴ13 186 (SPコミックス)
さいとう・たかを(イラスト)
来年連載50年を迎えるゴルゴ13は、ボクらの世代には日常にあるコミックだ。今の三、四十代男性がジャンプやマガジンを読み続けるような感じかな?
全巻共通して、世界をまたにかける旅情サスペンスのような趣で、どの巻から見ても楽しめる。この最新刊では、科学の悪用を阻止したのが痛快だった。 -
妖怪が好きだ。今どきの妖怪ではなく、昔ながらの妖怪、浮世絵の妖怪画がユーモラスなところがあり大好きなのだ。そして小松和彦さんの書くものは面白い。妖怪研究の第一人者である小松氏が監修をつとめたこの本は、ポケットに入る文庫版でありながら全頁フルカラーで、惜しげなく収録された妖怪画には心が躍る。
ブックキュレーター
歴史学者 武光誠1950年生まれ。歴史学者。明治学院大学教授。東京大学文学部国史学科卒業、同大学院博士課程修了。文学博士。歴史哲学・比較文化的視野を用いた幅広い観点から日本の思想・文化の研究に取り組み、日本史全般から世界史まで、多岐にわたる執筆活動を続けている。主なテレビ出演は日本テレビ「日本史サスペンス劇場」(2007~2009年)レギュラー(現在テレビ出演は受け付けていない)。出版書籍310冊以上。大学院在学中から始めた商業執筆活動は2018年に40周年を迎える。近刊、『「国境」で読み解く世界史の謎』(PHP研究所)ほか。新刊・既刊は公式HP(http://yagumokikaku.com/)にて紹介。
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