ブックキュレーター有斐閣 書籍編集第二部 四竈佑介
だって涙が出ちゃう、男の子だもん・・・
なぁんてさ、泣くわけないでしょう!おとなの男ですから!などと、なにかと強がらずにはいられない男性諸氏、あるいはそんな風にうそぶく男たちが理解できない方々におすすめしたい本です。男らしく振る舞うのは苦手、でも完全にその役割から降りるのも難しい、そんな中間的な価値観を持つ若い人にも、ぜひ読んで考えを深めてほしいと思います。
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グレート・ギャツビー
スコット・フィッツジェラルド(著) , 村上 春樹(訳)
有名な古典ですが、10代の頃にはあまりピンと来ず。けれども大人になってから読み返すと印象が違いました。読み終えて一度本を閉じ、ぼんやり余韻に浸りながらもう一度ページをめくると冒頭の数行で落涙がボロボロ止まらず。好みが分かれますが、僕は「華麗なる」と訳すより「グレート」と残した村上訳が好きです。
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こうしてお前は彼女にフラれる
ジュノ・ディアス(著) , 都甲 幸治(訳) , 久保 尚美(訳)
移民のモテ男が章ごとに違う女性と付き合ってフラれていく短編集です。なんて言ったら読む気が失せるかも知れませんが、不思議と嫌いになれないんです。主人公のユニオールも、兄貴のラファのことも。どこか涙を誘う作品であり、愛憎を背中から描く物語でもあります。兄弟がいる人にはいっそう伝わりやすいかもしれません。
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最近、若いサラリーマンや働く大人たちのあいだで、深夜に素手でタイマンを張る「趣味」のサークルが流行しているそうです。・・・というのはこの物語の中の話ですが、現代の男性性をアイロニカルに描いた『アメリカ文学の新しい古典』(都甲幸治)です。著者と同世代の作家B.E.エリスの作品と合わせて読むのもおすすめ。
ブックキュレーター
有斐閣 書籍編集第二部 四竈佑介編集者(学術書)。法律書で有名な有斐閣の「法律書以外」の編集部で仕事をしています。おもな担当分野は社会学。担当書に『質的社会調査の方法』『ファッションで社会学する』『社会学入門』『現代日本の「社会の心」』『ボランティアを生みだすもの』など。東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了(相関社会科学)。1984年生。https://twitter.com/RyShikama
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