ブックキュレーターお笑い芸人 鳥居みゆき
疲れて想像力が乏しい時に読んでほしい、文字と挿絵を楽しむ本
『やねの上の乳歯ちゃん』という絵本を描かせて頂いた事もあり、今回は挿絵も素晴らしい本を紹介したいと思います。お腹が空いている時、レストランに行ってハンバーグを食べようと決めていたのに、いざメニューを見ると写真で掲載されているステーキを頼みがち。そんなときって、人間は疲れていて想像力が乏しいときだと思います。そういうときのテンションの人に読んでほしい本を5冊紹介します。
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ファウスト
ゲーテ(作) , ハリー・クラーク(絵) , 荒俣 宏(訳)
ハリー・クラークの描いた天使を見た時に「天使以上の天使だな」と思いました。クラークはステンドグラスをやってきたからか、ビアズリーよりも色味があって成立するというか、でも、モノクロであっても色を感じさせるパワーがあります。そこがとにかく素晴らしい。
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人魚の嘆き・魔術師
谷崎 潤一郎(著)
谷崎潤一郎さんの名作です。水島爾保布(みずしまにおう)さんの描かれた挿絵が本当に力強く、文章だけ読んでいるとそう思っていなかったシーンなんかも、挿絵を見て「あ!そうなんだ!」と合点がいった事が沢山ありました。想像力の邪魔をせず、本に対してプラスになる味付けをしてくれていると思います。
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注文の多い料理店
宮澤 賢治(作) , 小林 敏也(画)
この本は色々な出版社から、様々な方の挿絵が使われた本が出版されています。怪奇的に描かれる方、ポップに描かれる方など本当にそれぞれ個性溢れる挿絵が楽しめます。「私が思っていた山猫と違う!」なんて思うことも。挿絵の描かれ方で全然違う物語になると思いますので、是非幾つかの本を手にとって読んで欲しいです。
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ハメルンの笛ふき
ケート・グリーナウェイ(絵) , ロバート・ブラウニング(詩) , 矢川 澄子(訳)
ケイト・グリーナウェイは『マザーグース』などの挿絵でも有名です。今回紹介する『ハメルンの笛吹ふき』は本当に怖いお話です。ケイト・グリーナウェイは子どもの純粋さ、無垢さをしっかりと表現されている作家さんです。
ブックキュレーター
お笑い芸人 鳥居みゆき1981年秋田県生まれ。バラエティ番組やライブで活躍するほか、ドラマ・映画にも多数出演。著書に『夜にはずっと深い夜を』『余った傘はありません』(幻冬舎)、『やねの上の乳歯ちゃん』(文響社)がある。
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