ブックキュレーター作家 岡崎琢磨
感涙必至!ミステリーと人間ドラマが美しく融合された小説
殺人事件を解決するだけがミステリーじゃない。謎の要素と小説的感動が無駄なく不足なく有機的に組み合わされた、二つの面から楽しめる小説をご紹介します。あなたの心の琴線に触れる作品が、きっと見つかるはず。その構造の必然性や造形美に、そして良質の作品を生み出さんとする作者の熱意にどうぞ酔いしれてください。
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『さよなら妖精』『王とサーカス』にも登場するジャーナリスト・太刀洗万智の活躍が存分に味わえる短編集。淡々と真実を突き止めていく彼女のさまに、だからこそ感情を揺さぶられます。「名を刻む死」のラスト、少年を呪縛から解き放つ台詞にはしびれました。これほど乱暴なのに美しい台詞がかつてあったでしょうか。
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ソロモンの偽証 1 第Ⅰ部 事件 上巻
宮部 みゆき(著)
文庫にして六冊に及ぶ大長編。ある男子中学生の死をめぐって、模擬裁判を開くことを決意した中学生たちの奮闘を描きます。裁判が終わりを迎えようとしたとき、突如立ち上がって声を発した女子中学生の思いに、必ずや胸を打たれるでしょう。作者の中学生に対する、温かくも厳しい眼差しが全編にわたって沁みます。
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恐れ多くも、拙作からもひとつご紹介を。青春の終焉をテーマに、叶わぬ恋をしたとき人は何を思うのか、ということを連作短編集の形で表現しました。ラストで明らかになる主人公の決断に、あなたもきっとこれまでの恋、そして現在の自分を振り返るはず。記憶に残る作品になっていれば幸いです。
ブックキュレーター
作家 岡崎琢磨1986年、福岡県生まれ。京都大学法学部卒業。2012年、第10回『このミステリーがすごい!』大賞隠し玉として、『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』(宝島社文庫)でデビューし、好評を博す。2017年現在、シリーズ5作を刊行。他の著書に『季節はうつる、メリーゴーランドのように』(角川文庫)、『道然寺さんの双子探偵』(朝日文庫)、『新米ベルガールの事件録 チェックインは謎のにおい』(幻冬舎文庫)、『病弱探偵 謎は彼女の特効薬』(講談社)、『さよなら僕らのスツールハウス』(KADOKAWA)がある。
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