ブックキュレーター三省堂 辞書出版部 山本康一
辞書とは、はたして「本」なりや?
「辞書って、人が作っているんですか?」と問われて、面食らったことがあります。(実話。)誰が作ったかもさだかに分からない。そもそも何についての「本」なのか?あえて言えば、「ことば」について書かれた本ですが、本じたいがことばで書かれているわけです。そんな辞書についての本を少しだけご紹介します(あえて『舟を編む』は外して)。
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悩ましい国語辞典 辞書編集者だけが知っていることばの深層
神永 曉(著)
ベテラン国語辞書編集者のつづる、国語辞書と言葉についてのあれこれ。出版社編集部の編集者として辞書づくりの現場の表も裏も知り尽くした著者が、時には辞書の裏話もまじえて興味深い話を語ります。「“爆笑”問題」「「話し」の話」「辞書に載っていないとクレームが!」などなど、さて、何の話でしょうか?
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日本語は天才である
柳瀬 尚紀(著)
昨年惜しまれながら亡くなった希代の翻訳家柳瀬先生のエッセー。日本語は国語辞書には無くてはならないものですが、翻訳にもまた無くてはならないものです(当たり前ですが)。先生は、翻訳にあたって、いかに日本語が天才であるか、を繰り返し述べてますが、読み進むうちに、先生の方が天才なのだ、と気づきます。
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辞書も人の手になるものである以上、辞書にも歴史があります。ただし、昔の辞書は今の辞書とは相当違っていました。「作り手」と「使い手」の関係から、辞書の作られ方まで、最初の辞書から今の辞書の形になるまで、日本語の長い歴史を「辞書というのぞきめがね」を通してみる旅が楽しめます。
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大辞林 第3版
松村 明(編) , 三省堂編修所(編)
大型というと多巻本になるので、1冊ものの大きい国語辞典と言えば分かりやすいですが、古語から現代語まで、百科語も含めて日本語の総体を1冊にまとめた中型国語辞典。古い意味から新しい意味まである語では、分かりやすく新しい意味から並んでいます。増補項目も引けるウェブ辞書「Dual大辞林」付きでお得。
ブックキュレーター
三省堂 辞書出版部 山本康一辞書編集者。1966年生まれ。三省堂 辞書出版部部長 兼 大辞林編集部編集長。NPO法人こども・ことば研究所講師。東京大学文学部卒業。国語辞典を中心に多くの辞事典の編集に携わり、また辞事典のデータベース化や制作ワークフローの改善にも従事する。担当した辞典は、『大辞林』『例解小学国語辞典』『新明解類語辞典』『必携用字用語辞典』『見やすいカタカナ新語辞典』など。
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