ブックキュレーターらいおんbooks編集部 兼森理恵
本の中のあんな小道具、こんな小道具
物語を動かすのは、いつも身近にあるあんなものや、こんなもの。誘ってくれるのは、決して特別なものだけではありません。真っ赤なボールに、海岸にうちあげられた小瓶、お気に入りの古びた机。物語の種は、どこに落ちているかわからない。あなたの周りにある何気ない「なにか」も、どこかに連れて行ってくれるかもしれませんよ。
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ぼーるとぼくとくも
加藤休ミ(著)
真っ赤なボールがふわりと浮かんで、ぼくは空の世界へ。冒険も大好きなボールとならなんのその。つぎつぎ形を変えていく雲と、うさぎになったりおにぎりになったり。くたくたになるまでごっこ遊びを楽しんだあとは、ボールがちゃんと大好きなお母さんのもとへ。一緒にいれば心強い相棒。これからもずっと、一緒だよ。
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こびん
松田奈那子(著)
小瓶が抱えて運ぶのは、誰かの「大切なもの」。はじまりは小さな女の子の手紙。浜辺で次の誰かの手に渡り、そこで新たに託されたものをしっかりと抱きしめ小瓶はまた海に漂う。人と人との優しいつながり。小瓶によって次の見知らぬ誰かにもたらされる、思いがけない喜びや温もり。思いの連鎖は、きっとみんなに幸せにする。
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おじいちゃんに譲ってもらった古い机。運命的に姉妹のもとにきた机は、なんと「トホウ・モナイ国」とつながっていた。屈託のなく人生を楽しみ愛おしむことが、いかに素敵なことか、「トホウ・モナイ国」の存在が教えてくれる。幼い頃、机の下で物語の世界に想いを馳せた私も「トホウ・モナイ国」の住人だったんだなあ。
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大きい1年生と小さな2年生
古田 足日(さく) , 中山 正美(え)
身体は大きいけれど泣き虫な1年生のまさや。普段は、小柄だけれどしっかり者の2年生のあきよに頼るばかりだが、彼女が欲しがっているホタルブクロの花を手に入れるために、たったひとりで冒険にでる。好きな人のために一歩踏み出す勇気。前に進む強い思い。まさやが両手一杯に摘んだホタルブクロはその象徴のようだ。
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ちいさなりすのエメラルド
そのだ えり(作)
まだ文字が読めないエメラルドは、お気に入りの赤い表紙の本を毎晩寝る前に読み聞かせてもらうのだが、今夜、読み手のガーネットはお仕事。眠れないエメラルドは、家を抜け出しご近所さんに読み聞かせを頼むのだが・・・。とってもかわいいおやすみ絵本。カバー袖の陰に、こっそり赤い本の物語が書かれている演出が憎い!
ブックキュレーター
らいおんbooks編集部 兼森理恵らいおんbooks編集者。他にも書店員、書評など子どもの本に関わることなら何でもやりたいと思い、日々、いろんなことに首を突っ込み、企んでいます。所属する「らいおんbooks」は2005年、児童書編集者、書店員、出版社営業の4人のメンバーで、児童書フリーペーパー「らいおん」を発行することからスタート。いつしか、「私たちの思う、面白くて楽しい絵本を、自分たちの手で作ってみたい」と思うようになり、2016年11月「らいおんbooks」という絵本レーベルを起ち上げました。刊行のジャンルは決めておりません。子どもたちに向けて、楽しんでもらえる、長く読み継いでもらえる、そんな絵本を、作家さんたちと二人三脚で編集していくと同時に、らいおんbooksの絵本を広く知っていただくために、私たちの今までの、編集、宣伝、販売の知識を総動員して、子どもたちに絵本を届けていきます。ロゴマークは敬愛する絵本作家スズキコージさんによるものです。
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