ブックキュレーター翻訳家 ふしみみさを
ヘンテコできれいなものが好きなあなたへ
人間も絵本も、ちょっとヘンテコなものに居心地の良さを感じる。世の中の余白で、楽しく我が道を歩いていそうな匂いのするもの。自然とにじみ出てしまうおかしみ、あたたかさ、味、美しさがある。そんな絵本を選んでみました。
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ゴムあたまポンたろう
長 新太(作)
「好きな日本の絵本作家は?」と聞かれると、迷わず「長新太さん!」と答える。長さんの本は、タイトルと表紙を見ただけでうれしくて、「いやあ!」と体をよじってしまう。だってあなた、『ゴムあたまポンたろう』ですよ!最高。たまらない。大好き。
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みまわりこびと
アストリッド・リンドグレーン(文) , キティ・クローザー(絵) , ふしみ みさを(訳)
キティの描く雪は、どうしてこんなにも温かく、柔らかく光っているのでしょう。白一色なのに、驚くほど表情があります。そして彼女はまた、闇を描く天才でもあるのです。こんなに深い黒が描ける人は滅多にいない。何かに守られているような、安心した気もちになれる本。
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えのはなし
ポール・コックス(作・デザイン) , ふしみ みさを(訳・文字)
明るく脱力したい人へ。肩の荷なんて無縁の世界へ行けます。どこまでもおバカな本ですが、ラスト近くで『人々はルコの絵のおかげで、はじめて周りに目を向けました。そして世界は思っていたよりも美しいことに気づいたのです』という文があります。あなたがそんな気もちになってくれますように。
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さあ、はこをあけますよ!
ドロシー・クンハート(作) , ふしみ みさを(訳)
こ――んなへんな本、見たことない!全ページ予想外。予想外すぎて、吹き出してしまいます。型にはまらないどころか、型ごと溶かしてしまう本。初版は1934年。それから80年以上経った今でも、類似品を見つけることができない、オンリーワンの絵本。
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せんをたどって
ローラ・ユンクヴィスト(さく) , ふしみ みさを(やく)
黒い表紙の絵本なんて、珍しいでしょう?しかもこの本、最初から最後まで、全部ひとふで描きでできています。まるでCGイラストのように見えますが、実はすべて手描き。そのためデザイン性と温かさが同居しています。わたしはこの本を訳したあと、しばらくひと筆描きに凝りました。意外といろんなものが描けますよ!
ブックキュレーター
翻訳家 ふしみみさを1970年、埼玉県生まれ。上智大学文学部フランス文学科卒。洋書絵本卸会社、ラジオ番組制作会社勤務を経て、英語・フランス語の翻訳家に。ユーモアたっぷりのとぼけた絵本を訳すのが好き。翻訳絵本に「せんをたどって」シリーズ、「バーバパパのコミックえほん」シリーズ、『あるひ ぼくは かみさまと』、『みまわりこびと』(以上、講談社)、『うんちっち』(あすなろ書房)、『はなくそ』(ロクリン社)、『どうぶつにふくをきせてはいけません』(朔北社)、『えのはなし』(青山出版社)、『トトシュとキンギョとまほうのじゅもん』(クレヨンハウス)、『おやすみおやすみ』(岩波書店)、『庭をつくろう!』(あすなろ書房)などがある。
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