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私小説から遠く離れて~丸谷才一とその系譜に連なる小説~
近代日本文学は長らく、作家が私生活における内面の葛藤を切り売りする「私小説」を一つの伝統としてきました。そんな反知性主義的ともいえる傾向を芸術と見なす文壇に反旗を翻し、趣向(語り口、構成、形式などの工夫)を凝らしてこそ小説だと主張した作家たちがいました。そのひとりが丸谷才一。彼の小説と、その系譜に連なる小説を紹介します。
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樹影譚
丸谷 才一(著)
表題作では、壁面に映る樹の影のシルエットを偏愛する老作家が、作品を書きながらその原因を探るうちにたどり着いた出生の秘密が描かれます。ナボコフなど過去の文学への目配せ、小説内小説を利用したミステリー風の巧みな構成など、趣向に富んだ仕掛けが数多くめぐらされています。結末を知ったとき、あなたは感嘆のため息を漏らしているはずです。
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半島を出よ 上
村上 龍(著)
北朝鮮の特殊部隊が福岡ドームを占拠し・・・という設定をリアルに描いた物語です。本書から感じられるのは、一つの内面世界を深く掘り下げようという意志ではなく、圧倒的に実在感のある可能世界を創造しようという意志。膨大な資料をもとにある一つの未来を小説内で実現してしまった著者の力量に、誰もが舌を巻くはずです。
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